代替は「だいたい」?「だいがえ」?ビジネスで読み方を確認したい漢字30選

読み方に迷う漢字30選。代替案は別の案、暫時はしばらく、進捗は進み具合と言い換えられる

この記事の要点

  • 仕事の場面で読み間違えやすい言葉がわかる
  • 読み間違えしやすい言葉の意味や使用例がわかる

社会人、学生に関わらず、副業やフリーランスとして仕事をする場合、プレゼンや打ち合わせなどで書類の音読をする場合も多いでしょう。
そんなとき、読み方に迷う言葉をあらかじめ確認しておくと、内容を落ち着いて伝えられます。

今回は、ビジネスで読み方に迷いやすい漢字30語を紹介します。企業ブログやサービス説明文の公開前に使える、言い換えや表記確認の方法も見ていきましょう。

読み方を間違えやすい「代替」

企画会議や提案時の打ち合わせなどで「代替案を提出してほしい」と指示がくることもあります。

この「代替」、どう読むのが正しいのでしょうか?

「代替」の基本の読みは「だいたい」です。

「だいがえ」という読みも使われています。記事で読みを示すなら「だいたい」を基本にし、聞いた言葉をすぐに誤りと決めつけないようにしましょう。意味は、あるものを別のもので置き換えることです。

仕事で読み方を確認したい漢字29選

読み間違いしやすい言葉は、「代替」以外にも多くあります。

ここからは「代替」以外の29語を見ていきましょう。複数の読みが使われる語は、その違いも説明します。

以下は主な読みを示しています。辞書によってはほかの読みや古い用法も載っているため、ここにない読みをすべて誤りとするものではありません。

各々(おのおの)

「各自書類を提出してほしい」などのように「かく」と読まれることが一般的な「各」ですが、「各々」と記載する場合は「おのおの」が正解の読み方です。
沢山ある物や人のひとつひとつを意味する言葉で、「食事の用意は各々でするように」という使われ方をします。

また、同義語に「それぞれ」という言葉があります。
こちらは「夫々」「其々」が漢字表記になりますが、読みづらいので平仮名で記載されるのが一般的です。

強ち(あながち)

「あながち間違いではない」といったように後ろに否定語をつけて「必ずしも~ではない」という言葉と同義で使われる言葉です。

強面(こわもて)

「強」という文字の読み方には「こわい」という読み方もあります。
「あの人は強面だ」など、迫力のある顔をした人のことを表現しますね。

また、「強」は「強か」という言葉でも使われます。
こちらは「したたか」と読みます。「強かに腰を打ち付けた」では「強く、ひどく」という意味です。
「強」という字は様々な読み方があることを覚えておきましょう。

あり得る(ありうる・ありえる)

「~の可能性がある」という意味で使われる言葉で、「ありうる」「ありえる」の両方が辞書に載っています。仕事の場面でも「ありえる」を一律に誤りとする必要はありません。

例えば「そのような変更はあり得る」と使います。否定する場合は「あり得ない(ありえない)」です。

行脚(あんぎゃ)

「ある目的で各地を巡ること」を表す言葉です。
「得意先を行脚する」などのように使われます。
「脚=きゃく」と覚えている人が多く、「行」を「あん」と読むのは仏教用語の読み方のため、間違える人が多いです。

依存心(いそんしん・いぞんしん)

「誰かに頼りたいという気持ち」のことを指します。「依存」には「いそん」「いぞん」の読みがあり、「いぞんしん」も誤りとは断定できません。

「あの人は依存心が強い」といった使われ方をしますね。読みを付ける記事では、媒体の表記ルールに合わせて統一しましょう。

役務(えきむ)

経理に携わる人は会計項目として出会うことが多いこの言葉。
他人のために行う労働やサービスを指し、公的な仕事だけに限りません。「役務の提供」のように使います。

角地(かどち)

場所についての言葉は様々な場面で使われます。
「あの角地を事務所の移転先にしよう」など、期待を込めた場所の候補などに上がる言葉です。
これは角地が2つの道路が交わる角にある敷地で、開放的な雰囲気の場所が多いことによります。

完遂(かんすい)

「目的や用事をすべて終える」ことを意味する言葉ですが、「遂」が「遂(つい)に到達した」などにも使われることから読み間違える人が多いです。
「難しい依頼を完遂した」などのように使われます。

割愛(かつあい)

何かを説明する場面でよく聞く言葉ですね。
「省略」と同義だと考える人も多いですが「必要はあるが惜しみつつも省くこと」を意味します。
「省略」は一部を省いて短くすることで、不必要なものを省く場合だけに限りません。「時間の都合で詳細は割愛します」のように、惜しみながら省く場面で使い分けましょう。

既出(きしゅつ)

ある言葉や案がすでに話題に出ていることを示す言葉です。
「既出の案に他の要素を足す」などのように使われますが、読み間違える人が多いのは「概算(がいさん)」などの「概」とつくりが同じためでしょう。

言質(げんち・げんしつ)

「証拠となる言葉」のことを指し、「言質を取る」のように使われるのが一般的です。
「言質を取る」は相手から証拠となる言葉を引き出すことをいい、後で約束などの証拠にできる発言を確保する意味があります。「証言を得る」といつでも置き換えられるわけではありません。

更迭(こうてつ)

学生時代に習いますが、日常生活で使うことはあまりない言葉ですね。
役員や議員など要職についている人の入れ替え人事を行うことをいいます。
新聞などでも「○○大臣を更迭」という見出しで目にすることは多いでしょう。
「迭」が「送」に間違えられやすいようです。

御用達(ごようたし・ごようたつ)

「セレブ御用達の店」などと使われますが、主な読みは「ごようたし」「ごようたつ」です。
もとは「宮中などに品物を納めることや、その商人」を指す言葉です。現在は「ある人や集団がよく利用する」という意味でも使われ、「宮内庁御用達」だけが正しい使い方というわけではありません。

早急(さっきゅう・そうきゅう)

様々な場面で使われることも多く、なじみもある言葉でしょう。
「早急に対処する」などと使うことが多く、「さっきゅう」のほかに「そうきゅう」という読みも辞書に載っています。
意味は「非常に急なこと、至急」と「急いで何かをすること」を指します。

暫時(ざんじ)

「少しの間、しばらくの間」という意味で、「暫時休憩してください」などのように使います。
かしこまった席で使うことが多いので、仕事の場面でも遭遇する機会は多いでしょう。

「暫く」と送り仮名をつけて「しばらく」と読ませる文書もあります。
この言葉と読みも間違えやすいのが「漸次(ぜんじ)」で、こちらは「だんだん、次第に」という意味です。

事由(じゆう)

物事が起きた理由・原因のことを指します。
「事由に関わらず書類提出の遅延は認めない」など、厳しく禁じる場面などで使われます。

進捗(しんちょく)

物事が順調に進んでいることを指す言葉で、「案件の進捗状況を報告する」のように使います。
単純に進行状況を指す意味でも使うこと、「捗」が「歩」に似ていることから読み間違える人が多い漢字です。

出納(すいとう・しゅつのう)

経理関連でよく出会う言葉ですね。
「現金出納帳」のように使われ、「現金や品物を出し入れすること。収支」の意味です。
「しゅつのう」という読みも辞書に載っていますが、会計処理などでは「すいとう」が一般的です。「現金出納帳」は「げんきんすいとうちょう」と読みます。

脆弱(ぜいじゃく)

「彼は精神的に脆弱だ」などのように、「弱くてもろい」ことを指します。
つくりに「危」が入っているので「きじゃく」と読み間違える人も多い言葉です。

相殺(そうさい)

ふたつのものをぶつけて効果を打ち消し合うことを意味します。
「昨日の損失は今日の取引で相殺できた」などのように使われ、損失と利益などを差し引いて帳消しにする場面で使います。不足分を補う「補填」とは、意味が完全に同じではありません。

貼付(ちょうふ・てんぷ)

読んで字の如く「貼り付けること」を意味します。
「添付(てんぷ)」は、書類などに別のものを添えることです。読みが重なる場合があっても、意味の違いに注意しましょう。

「資料の印刷ミスに正しい字を貼付する」などの使い方をします。
「てんぷ」は慣用読みとして辞書に載っています。読みを示すなら「ちょうふ」を基本にし、操作の説明では「貼り付ける」と書く方法もあります。

重複(ちょうふく・じゅうふく)

「同じものが複数ある状態」を指す言葉で、「内容が重複しているのでこの部分は省略する」のように使います。
「ちょうふく」のほか、「じゅうふく」も慣用読みとして使われています。
「重」を「ちょう」と読む漢字は多く、「重用」や「重宝」「慎重」などもあります。

月極(つきぎめ)

「1か月を単位としてものごとを決めること」を月極といい、「月極駐車場」という看板などは私たちの日常生活の中でもよく見かけますね。
月極で新聞を契約するなどお金が絡む言葉で使われます。

続柄(つづきがら・ぞくがら)

社会人になる時、様々な書類で目にする「続柄」。
「家族の二者間の関係を表す言葉」とされており、「彼と私の続柄は夫婦です」などのように使います。
「ぞくがら」という読みも、俗な言い方として辞書に載っています。書類の説明では「つづきがら」を基本にし、誰から見た関係なのかも明確にしましょう。

何卒(なにとぞ)

「何卒よろしくお願い申し上げます」のように、「相手に強く願う気持ち」を表す言葉で「どうか~」「なんとかして~」と同義で使われます。
漢字を一字ずつ読むより、「何卒」で「なにとぞ」と覚えておきましょう。

年俸(ねんぽう)

「1年間を単位として決められた給与」のことを指す言葉です。
スポーツ選手などが「年俸○○万円で契約した」というニュースはよく聞きますね。
「棒(ぼう)」とつくりが同じことから読み間違える人が多い漢字です。

汎用性(はんようせい)

さまざまな用途に広く使える性質を指します。
「このデザインは汎用性が高い」といった使い方をします。
「平凡」の「凡」と間違えて覚えている人が多いです。

約定(やくじょう)

取り決めを交わすことを指し、金融関連の場面で多く使います。
「契約」と同義語で、「約定を交わす」のように使うことが一般的です。

企業ブログでは読みやすい言葉への置き換えも考える

正しく読める言葉でも、読者が意味をつかむのに時間がかかることがあります。サービス説明文やお知らせでは、難しい漢字を残すかどうかも確認しましょう。

元の表現言い換え例
代替案をご提示ください別の案をご提示ください
暫時お待ちくださいしばらくお待ちください
進捗をお知らせください作業の進み具合をお知らせください
写真を貼付してください写真を貼り付けてください
内容が重複しています同じ内容が繰り返されています
汎用性の高い書式ですさまざまな用途に使える書式です

これは文脈に合わせた言い換え例です。契約書の用語や正式な名称まで機械的に置き換えず、意味が変わらないか確認します。読みだけが難しい場合は、初出にふりがなを添える方法もあります。

文化庁の「公用文作成の考え方」も、読み手に合わせた分かりやすい表現を重視しています。企業の発信でも、読者に伝わるかを判断する参考になります。

AIには誤読の断定ではなく確認候補を挙げてもらう

AIを校正の補助に使う場合は、読みを即断させず、辞書で確認する候補を探してもらうと作業を分けやすくなります。

プロンプトの例: 

次の企業ブログ原稿から、読み方や意味に迷いやすい語、読者に伝わりにくい語を抽出してください。原文の該当箇所、確認する観点、平易な言い換え候補を並べてください。慣用読みや複数の読みを一律に誤りと断定せず、確認できないものは「要確認」としてください。全文は書き直さないでください。

出てきた候補は、担当者が辞書の見出し・語義・用例と照合します。AIが示した出典も実際に開いて確認し、読みを統一する場合は社内の表記ルールに記録しましょう。

公開前には、読みの正誤だけでなく、文章中の意味、言い換え後の正確さ、固有名詞の表記も確認します。記事全体の進め方はWordPressで記事の企画から公開まで進める手順も参考にしてください。

まとめ

ここまで、副業時の打ち合わせやプレゼンなどの場でよく使われる読み間違いしやすい漢字について見てきました。

いくつもの読み方をする漢字があるので、様々に変化するのが日本語の難しくておもしろいところ。
正しい読み方を知るとともに、類義語などもチェックしておくと思わぬところで役に立つかもしれません。

ちょっとした隙間時間で読み間違いしやすい漢字を学んでいきましょう。