みにくい文章を読みやすい文章に変える4つのテクニック

この記事の要点

  • 読みやすい文章は構成が整っている
  • 全体の文字数は検索上位記事を参考に。一文は40〜60文字前後
  • 文体を調整し語彙を増やして表現を豊かにすると読者を飽きさせない

読みやすい文章の作成は、社会人だけでなく、学生にも必要なスキルです。

社会人であれば資料作りや、メールなどのテキストでやりとりする機会が多いですし、学生であればレポートや論文作成で読みやすい文章を求められます。

そのため、読みやすい文章を書きたいけれど、自分の文章は読みやすいのか読みにくいのかどうかがわからないと悩む人は多いのではないでしょうか。

この記事では構成、文字数、文体、語彙に分けて読みやすい文章の書き方のポイントを解説します。

読みやすい文章と読みにくい文章の違いにも触れますので、文章作成をレベルアップさせたい人は参考にしてください。

読みやすい文章作成のポイント(1)構成を練る

読みやすい文章を書くためには、構成がしっかり整っている必要があります。
以下は「句読点の使い方」を紹介する記事の見出し例です。

  1. 句点・読点のルール
  2. まとめ
  3. 句読点とは

本来であれば、最後に来るべき「まとめ」が2番目にあったり、そもそも「句読点とは」の解説が結論部分にあったりと、構成が不自然ですね。

このように構成がおかしいと読者は話の流れをつかめず、内容が伝わらない記事になります。

では、伝わる記事にするための構成作成のポイントをご紹介していきます。

狙いたいキーワードとターゲットを定める

構成を考える前に大切なのが、狙いたいキーワードとターゲットとなる読者像を定めることです。

「どのような読者に、何を伝えたいのか」を考えて設定をしましょう。
この部分は記事作成のコアであり、「伝わる記事」を書く上でとても大切です。

例えば「Webサイトの作り方」というテーマで、記事を書くとします。
相続してみてください。読者を「Webデザイン学習者」にするか「個人経営の和菓子店の店主」にするかで、記事の内容が異なるはずです。

そのため、文章構成はキーワード(テーマ)とターゲットを定めてから作るようにしましょう
キーワードと関連するキーワードを構成に組み込むことで、SEOを意識した記事をつくることも可能です。

以下の記事で関連キーワード取得ツールなどを紹介しています。

作業効率アップ!記事作成や校正・編集におすすめのWebツール9選!

文章構成の型は主に4種類

文章の構成には、四段構成、三段構成、頭括構成、双括構成の4種類の書き方があることをご存知でしょうか。

それぞれの特徴と書き方を簡単にご紹介しますので、これから書く記事に適した構成は何か検討してみてください。

1.四段構成

四段構成は、起・承・転・結の4つのパートで構成されています。
起には「導入・問題提起」、承には「出来事・具体例」、転には「転換・逆説」、結には「結末・結論」を記載します。

この構成は「転換・逆説」で話が大きく動くため、小説などの物語文章向きです。
しかし、冒頭に結論が述べられていないため、ビジネスシーンでの利用には向いていないことが多いです。

2.三段構成

三段構成は、序論・本論・結論の3つ要素が含まれるシンプルな構成です。
序論には「導入」、本論には「事例・主張・意見」、結論には「結末」をそれぞれ記載します。

報告書や提案書、論文や調査データを紹介する記事に適しているといえますが、汎用性が高いので活用できる機会は多いです。

3.頭括構成

頭括構成は、冒頭に「結論」を持ってきて、その後に結論を裏付ける「主張・展開」を記載する書き方です。

冒頭で結論が述べられるので読者の興味・関心を集めやすく、新聞などで多く用いられる構成です。

4.双括構成

双括構成は、四段構成と頭括構成を組み合わせた書き方です。

冒頭で「結論」を述べ、「出来事・転換」の後に再度「結論」を述べます。
LPと呼ばれるランディングページや、商品紹介ページなどで用いられることが多いです。

以上、4つの構成の型を紹介しました。
これら4つの構成を文章のテーマによって使い分けることで、読者に伝わりやすい文章を書けるようになります

読みやすい文章作成のポイント(2)過不足のない情報を読みやすい文字数で伝える

読みやすい文章を書くためには構成が大切であることを紹介しました。

しかし、いくら狙いたいキーワードとターゲットを定めて、適切な構成を考えたからといって、必ずしも伝えたいことが伝わるとは限りません。

伝わる記事の作成には、記事全体の文字数と一文の長さを意識することも必要です。

全体の文字数:狙いたいテーマの検索上位記事を参考にする

全体の文字数を決める際は、狙いたいキーワードで検索して上位に表示される記事の文字数を確認しましょう。

検索上位記事の文字数を参考にすれば、過不足のない記事を作成できるでしょう。

一文の文字数:40〜60文字前後

一文の文字数の長さは、40〜60文字前後を心がけましょう。
あまりにも一文が長すぎると、読者に読みにくい印象を与える可能性があります。

以下2つの例文をご覧ください。

A:一文の長さを意識していない文章
私は、今日母親と姉と最近オープンした大型のショッピングモールに行き、誕生日が近かったので、洋服とアクセサリーを母親に買ってもらい、とても嬉しかったです。
B:一文の長さを意識した文章
私は、今日母親と姉と最近オープンした大型のショッピングモールに行きました。誕生日が近かったので、洋服とアクセサリーを母に買ってもらいました。とても嬉しかったです。

同じ内容ですが、Aの文章は「、」でつながっているため含まれる情報が多いです。
一方下の文章は3文に区切られ、情報が整理されています。

どちらが読みやすいかは一目瞭然ではないでしょうか。

読みやすい文章作成は「一つの文には、一つの内容」が基本です。
読者を途中で離脱させないためにも、この基本を大切にしてください。

読みやすい文章作成のポイント(3)文体を調整する

読みやすい文章を書くためには、文体と呼ばれる「文章のスタイル」も意識したいです。

なぜなら、メディアの性質に合わせて、最適な語尾や、表現方法や言葉のチョイスが必要だからです。

語尾にこだわる

まずは、語尾についてみていきます。

「だ・である調」「です・ます調」どちらを選ぶべき?

例として、ニュース系メディアとファッション系メディアで考えてみます。

ニュース系メディアは、事実を簡潔に伝えることが求められます。
そのため「だ・である調」が用いられることが多いです。

一方、ファッション系メディアはオシャレの提案や読者への呼びかけの要素が多いため、やさしい印象を与える「です・ます調」が使われる傾向があります。

メディアの性質によって、向いている語尾を選択することが大切です。

同じ語尾が3回以上続くことはNG

次の2つの例文をご覧ください。

A
ある調査によると「副業を始めたい」と思っている人が以前より増加したそうです。しかし、社員の副業を認めていない会社も多いようです。なぜなら、本業に支障が生じることが懸念されているからです。社員の副業解禁は会社側にもメリットがあるので、検討すべきです。
B
ある調査によると「副業を始めたい」と思っている人が以前より増加したそうです。しかし、社員の副業を認めていない会社も多くあります。なぜなら、本業に支障が生じることが懸念されているからです。社員の副業解禁は会社側にもメリットがあるので、検討すべきでしょう。

AとBの文章を読み比べて、何か違和感はありましたか?
Aの文章は少し読みにくかったのではないでしょうか?

実はAの文章は「です」が4回続いています。
一般的に同じ語尾が3回以上続くことはNGとされています。

特に記事の執筆経験が浅いうちは、今回のように同じ語尾を続けて使用しがちです。
同じ語尾が続いてしまうと伝わりにくい文章になるだけでなく、読者に飽きられるといわれています。

「です」「ます」を使用するだけでなく、体言止めなどを交えることで文章にリズムが生まれます
語尾を工夫して、読みやすい文章をつくりましょう。

漢字と平仮名のバランスを意識する

次の例をご覧ください。

A:よろしくお願いいたします
B:宜しくお願い致します

同じ意味でも、漢字を使うか、平仮名を使うかで読者に与える印象は異なります

掲載するメディアの表記ルールを守ることは前提です。
しかし、読みやすい文章にするため、全体のバランスを見ながら漢字にするか、平仮名にするか、調整してみてください。

一般的に漢字3割、平仮名7割が読みやすいといわれています。

句読点や括弧(かっこ)をうまく活用する

句読点や括弧(かっこ)の活用は、伝わる記事の作成に不可欠です。

適切な使い方ができれば、テンポの良い文章が書けます。

句読点のルールや、括弧(かっこ)の使い分けについては、以下の記事で詳しく解説しています。

意外と知らない句読点のルールとは?使い方とNG例を解説

順番は大丈夫?文章を読みやすくする括弧(かっこ) の使い分けと使い方まとめ

読みやすい文章作成のポイント(4)語彙を豊かにする

構成や文字数、文体に気をつけていてもなお自分の文章が読みにくいと感じたときは、語彙力が乏しいかもしれません。

表現を豊かにするために、語彙も意識してみましょう。

同じ言葉は言い回しを変える

文章に同じ言葉を何度も使用していませんか?
他の言葉に置き換えられるようであれば、言い回しを変更してみましょう

例えば以下の2つの例文をみてみましょう。

A:同じ言葉を使用した場合
私の勤めている幼稚園には、かわいい子供たちがたくさんいます。かわいい子供たちの笑顔を見れば、とても元気がもらえます。かわいい子供たちのために今日も私は仕事を頑張ります。
B:言い回しを変更した場合
私の勤めている幼稚園には、かわいい子供たちがたくさんいます。魅力的な子供たちの笑顔を見れば、とても元気がもらえます。素敵な子供たちのために今日も私は仕事を頑張ります。

Aの文章では、「かわいい子供たち」という言葉しか使用していませんが、下の文章では言い回しを変更しています。

Bの文章の方では、言葉が言い換えられていて、読んでいる読者を飽きさせません。
このように語彙の言い回しを変更することも意識してみましょう。

同義語・類語を調べる

同じ言葉ばかり使っている文章は、単調なイメージを読者に与えてしまいます

例えば、「悲しい」という言葉は「不憫」「哀れ」「切ない」「痛ましい」などの同義語があります。
同義語・類語を調べてそれらを活用し、多様な言葉で「悲しい」を表現してみると、文章が豊かになるはずです。

言葉を使い分けて、読みやすい文章、飽きさせない文章を目指しましょう。

まとめ

読みやすい文章作成の4つのポイントを紹介しました。

  1. 構成を練る
  2. 過不足のない情報を読みやすい文字数で伝える
  3. 文体を調整する
  4. 語彙を豊かにする

まず文章を書く際に必要なのは、狙うキーワードをターゲットの選定。
そして適切な構成で過不足のない情報を伝え、読みやすい文字数も意識します。

文体や語彙を調整することで文章にリズムが生まれて、読者を飽きさせない工夫をしましょう。

この記事で紹介したポイントをおさえて文章をつくれば、読みやすさは格段にアップするはずです。ぜひ実践してみてください。