情報処理安全確保支援士試験(SC)は副業に役立つ?取得のメリット・デメリット

この記事の要点

  • 情報処理安全確保支援士はセキュリティ関連資格の最高峰
  • 試験に合格すれば高単価な案件が狙える
  • 情報処理安全確保支援士には登録費用や法的義務もある

情報処理安全確保支援士試験(SC)」は情報セキュリティに関する資格の最高峰で、合格率が低く難易度は高いものの、取得できれば高度なスキルを証明できる資格です。情報系唯一の「士業」として活動でき、セキュリティ関係の副業案件を受注する際にも評価の対象となります。
今回は、情報処理安全確保支援士試験(SC)の概要や副業、メリット・デメリットについて解説します。

情報処理安全確保支援士試験(SC)とは?

情報処理安全確保支援士試験(SC)は副業に役立つ?取得のメリット・デメリット_sc

公式:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/sc.html

情報処理安全確保支援士試験(SC)」は、情報セキュリティに関する国家資格の1つです。
情報系の国家資格の中では、難易度は最難関の「レベル4」で、情報セキュリティに関する資格としては最も高レベルな試験です。
合格によって認定される「情報処理安全確保支援士」は、情報系唯一の登録性「士業」として認められており、取得できればセキュリティに関する高度な知識の証明になります。
技術的な知識に加え、教育やインシデントへの対応策の策定、組織内の情報セキュリティ規定の策定など、幅広い業務を任せられるだけの知識が問われます。

情報処理安全確保支援士試験は、セキュリティ関係の資格としてはかなり難易度が高く、合格率の低い資格試験です。
令和四年度の合格率は20.2%と発表されており(引用:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験  推移表(平成21年度春期以降))、合格には十分な対策が求められます。

情報処理安全確保支援士試験(SC)は副業に役立つ?

情報処理安全確保支援士にしかできない副業、というものはありませんが、セキュリティ関係の副業を受注するには大きなアドバンテージになります。

情報処理安全確保支援士は士業ではありますが、業務独占資格ではなく名称独占資格に該当します。
弁護士や司法書士などとは異なり、情報処理安全確保支援士にしかできない仕事、というものは存在しません。
しかし情報処理安全確保支援士は、情報セキュリティに関する資格としては国内最高峰の資格のため、取得できれば高度なスキルと知識の証明となります。
そのため、セキュリティ関係の副業であれば、情報処理安全確保支援士の資格を持っていることで優良案件を受注できる可能性が高まるでしょう。

セキュリティ関係の副業としては、以下のような業務が挙げられます。

  • セキュリティコンサルティング
  • セキュリティ診断・改善
  • セキュリティ戦略の立案
  • 情報処理安全確保支援士でなければできない副業、というものはありませんが、資格を所持していることで、より高度な副業や高単価な案件を受注できる可能性は上がります。

    情報処理安全確保支援士試験(SC)を受験するメリット・デメリット

    ここでは、情報処理安全確保支援士試験(SC)を受験するメリット・デメリットをご紹介します。

    情報処理安全確保支援士試験(SC)を受験するメリット

    情報処理安全確保支援士試験を受験するメリットとして、以下のような点が挙げられます。

  • セキュリティの専門家として高い信頼性が得られる
  • 他の資格試験の一部免除
  • セキュリティの専門家として高い信頼性が得られる

    情報処理安全確保支援士試験(SC)は、セキュリティに関する最高峰の資格です。
    そのため、取得できれば高い信頼性の証明になります。
    政府調達の技術的入札要件や、行政職の入札要件としても利用されている資格です。
    企業内での評価につながるのはもちろん、転職や独立などに際しても市場価値を高めることができるでしょう。

    他の資格試験の一部免除

    情報処理安全確保支援士試験に合格することで、その他の資格試験の一部試験が免除される場合があります。
    具体的には、以下のような試験が免除されます。

  • 「中小企業診断士の1次試験科目」
  • 「技術士試験の第一次試験の専門科目である情報工学部門」
  • 他の資格取得を目指す場合にも有益です。

    情報処理安全確保支援士試験(SC)を受験するデメリット

    情報処理安全確保支援士試験を受験するデメリットとして、以下のような点が挙げられます。

  • 登録料や維持費がかかる
  • 法的義務がある
  • 登録料や維持費がかかる

    情報処理安全確保支援士試験に合格したのち、士業として活動するには登録が必要になります。
    その際、登録や講習に際して費用がかかる、というデメリットがあります。

    例えば、以下のような費用がかかります。

  • 登録申請費用20,000円
  • 講習受講費用140,000円(3年間)
  • 諸費用について高額だと感じる方もいるでしょう。
    もちろん、費用以上のリターンが期待できる資格ではありますが、それなりの額になるということは覚えておきましょう。

    法的義務がある

    情報処理安全確保支援士になると、法的な義務が生じます。
    「秘密保持義務」や「信用失墜行為の禁止義務」など、普通に生活していれば違反することはありませんが、今まで以上に注意が必要になるでしょう。

    毎年の講習受講の義務も課せられており、受講せずにいると資格を失うことになってしまいます。
    合格できれば大きなメリットを得られますが、信頼性が高い資格だからこそ縛りや義務が増える、ということは押さえておきましょう。

    まとめ

    この記事では、情報処理安全確保支援士試験の副業について解説しました。
    情報処理安全確保支援士試験は、情報系唯一の登録性士業で、セキュリティ関連では最高峰の資格です。

    情報処理安全確保支援士試験を取得していなければできない副業、というものはありませんが、セキュリティに関する高度なスキルの証明になります。
    より高単価・好待遇な案件を受注できる可能性が高まるため、セキュリティの専門家として副業を考えている方は、受験を検討してみると良いでしょう。
    受験の際には、合格後の費用や法的義務についても確認しておくことをおすすめします。