この記事の要点
- クラウドサインは電子契約市場で約8割のシェアを占めている知名度が高いサービスである
- 様々なシステムと連携することで業務を効率化できる
- 契約書を受け取る側も非常に使いやすい
近年、契約書の作成や契約締結、書類の管理まで全てオンライン上で完結できる電子契約サービスが増えています。
様々なサービスがある中でも「クラウドサイン」は電子契約市場で約8割のシェアを占めている人気のサービスです。
本記事では、クラウドサインのメリット・デメリットや機能・使い方について解説します。
具体的な操作手順についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
電子契約サービスとは?
電子契約サービスとは、従来、印刷した書面に署名捺印等をして交わしていた取引の契約を、インターネット上のクラウドサービスなどを活用しペーパーレスで契約するためのサービスです。
電子契約のメリットは、手続きの簡略化や業務効率の向上、印刷や配送、書類の保存、印紙などのコスト削減など非常に多くのメリットがあり、急速に普及しました。
クラウドサインとは?
クラウドサインとは、弁護士ドットコムが運営している電子契約サービスのことです。
日本の法律に詳しい弁護士が監修をしていることもあり、高い信頼性の下で安心してサービスを利用できます。
クラウドサービスの料金プランは「Standardプラン」「Standard plusプラン」「Businessプラン」の3種類があります。
基本的に1年ごとの契約であり、Standardプランは月額11,000円(税込)、Standard plusプランは月額22,000円(税込)、Businessプランは月額110,000円(税込)となっています。
初期費用は不要ですが、書類を送信する度に1通220円(税込)ほど加算されます。
「Freeプラン」という無料のプランもありますが、こちらは送信件数が月5件、電子署名の検証可能期間が1年など利用制限があります。
クラウドサインの主な機能・メリット
クラウドサービスは、はじめて電子契約サービスを利用するという方でも使いやすい機能を搭載しています。
ここでは、クラウドサインの主な機能とメリットについて解説します。
Web API機能
クラウドサインはWeb API機能を搭載しているため、様々な業務システムと連携させることが可能です。
システムを連携させることで、業務をさらに効率化できるメリットがあります。
たとえば、SalesforceやSlack、kintoneなどのシステムと連携できます。
通信の暗号化やファイアウォール、認定タイムスタンプの付与など高いセキュリティ機能
クラウドサインは、通信の暗号化やファイアウォール、認定スタンプの付与などの機能も搭載しています。
これらの機能を利用することで、文書の改ざんや不正アクセス等を防止できます。
Salesforce上で契約状況等を可視化できる
クラウドサインは、Salesforceと連携することで自社の契約状況やステータス等を可視化できます。
月々の契約数や契約書類が多い企業にとっては、進捗状況を可視化して業務効率化に繋げられるメリットがあります。
クラウドサインのデメリット
ユーザーにとってメリットが多いクラウドサインですが、デメリットもいくつかあります。
送信件数が多くなるとランニングコストがかさむ
クラウドサインは契約書を送信する度に200円の送信代がかかります。
そのため、月々の契約締結の数や送信件数が多い企業は、ランニングコストが多くかかるでしょう。
他のサービスと比較すると、NINJA SIGNは無料、BtoBプラットフォーム契約書が50円となっているため、クラウドサービスの送信代は割高だと言えます。
契約ごとに権限設定ができない
クラウドサインは、契約単位での権限設定ができない点もデメリットです。
契約書関連の書類は個人情報が含まれているため、権限の設定機能は必須です。
部署ごとにそれぞれ導入する必要があるため、月額コストも増加する点もデメリットだと言えます。
契約書のファイル形式がPDFのみなので作成に手間がかかる
クラウドサインのファイル形式は、PDFのみとされています。
そのため、契約書の作成や修正に手間がかかる点もデメリットです。
契約書の修正作業等が発生した場合、Wordなどで新たに契約書を作成して、PDFにアップロードする手間が発生します。
他のサービスと比較すると、NINJA SIGNはGoogleドキュメント、BtoBプラットフォーム契約書はWordに対応しています。
クラウドサインがおすすめなケース
クラウドサインの特徴やメリット・デメリットを踏まえた上で、クラウドサインを利用したほうが効率化やメリットに繋がるケースを紹介します。
大規模の会社におすすめ
クラウドサインは個人・法人問わず幅広く利用できますが、特に100名以上の大規模の会社であれば、クラウドサインの特徴を最大限に活かせるのでおすすめです。
Salesforceと連携することで、自社の契約状況の管理や検索がスムーズに行えます。
業務の効率化を図りたい企業におすすめ
業務の効率化を図っている企業にもクラウドサインはおすすめです。
クラウドサインはSalesforceをはじめ、サイボウズやSlack、kintoneなどと多くのシステムと連携できます。
普段これらの顧客管理を利用していて、業務の効率化を検討している企業に特におすすめです。
取引先とスムーズな電子契約を行いたい
電子契約は、取引先が使いやすいかどうかも大切です。
クラウドサービスは送られてきたメールのリンクを開いて、そこから契約書の確認や契約締結が行えるので難しい操作は必要ありません。
そのため、取引先とスムーズな電子契約を行いたいと考えている企業にもおすすめです。
また、クラウドサインは業界シェア80%以上ということもあり知名度も高いです。取引先の立場からしても、知名度の高いサービスを安心して利用することに繋がるでしょう。
クラウドサインの使い方
ここでは、クラウドサインの基本的な使い方や操作方法について解説します。
契約書を操作する側の手順
契約書を送信するためには、事前にアカウント登録を行う必要があります。
アカウントの登録
- クラウドサインにアクセスする。
- メールアドレスとパスワードを入力して「新規登録(無料)」をクリックする。
- メールアドレス宛に本登録用メールが届いたら、メールに記載されている本登録用URLをクリックする。
- パスワードを設定して「登録」を押して、アカウントの登録は完了です。
書類の送信方法
- クラウドサインにログインする。
- 「新しい書類の送信」をクリックする。
- 「新しく書類(PDF)をアップロード」または「テンプレートから書類を準備」をクリックする。
- 書類のタイトルを記入後、「次へ」をクリックする。
- 入力項目を設定する(フリーテキスト、押印など)
- 送信内容を確認後「送信する」ボタンをクリックする。
受け取った契約書にサインする側の手順
続いて契約書をメールで受け取った後の流れ・操作についても解説します。
- メールに届いたURLをクリックする。
- 利用規約を確認後「利用規約に同意して確認」ボタンをクリックする。
- ダウンロードボタンを押して書類を確認する。
- 入力項目が割り当てられている場合は必要な情報を入力する。
- ページ下部にある「書類の内容に同意」をクリックする。
- 「同意して確認完了」をクリックする。
クラウドサインの類似サービス
クラウドサインと比較的近い電子契約サービス内容を提供しているのは、GMOサイン、freeeサインなどです。
GMOサイン
GMOサインは、GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が提供している電子契約サービスです。
こちらもクラウドサインと同様多くのシステムと連携できます。
また、契約書ごとに印鑑の使い分けも可能です。
freee サイン
freee サインは、株式会社サイトビジットが運営している電子契約サービスです。
電子署名やタイムスタンプ等の機能を搭載しているため、取引先がアカウントを持っていない状態でも利用できます。
まとめ
今回は、クラウドサインのメリット・デメリットや機能・使い方について詳しく解説しました。
クラウドサインは契約書を送る側だけではなく、受け取る側も非常に使いやすいのが特徴です。
送られたメールアドレスのURLをクリックして操作を進めることで、スムーズに契約締結まで行えます。
契約書の管理もクラウド上でできるため、管理の負担も少ないです。
気になる方は、ぜひ導入を検討してみてください。