この記事の要点
- JavaScriptは、ほぼ唯一webブラウザ上で動作するテキストや画像などの操作を行う言語
- Webページの開発で欠かせないため、将来にわたって安定した需要が続く
- デザイナー案件よりエンジニア案件の方が案件の相場が高い
- JavaScript単体の知識だけでは副業は難しいため、プラスアルファのスキルの習得が必要
JavaScriptはWebデザイナーやコーダーだけでなく、フロントエンジニアを目指す人の中でも人気の高い言語の1つで、WebサイトやWebアプリにおけるアニメーションやデータ処理に利用されています。
副業でも人気が高い言語ですが、利用範囲が広く相応のスキルが求められます。
本記事では、そんなJavaScriptを使った副業案件の種類や相場、必要スキルなどを中心に解説します。
目次
JavaScriptとは?
JavaScriptは、WebサイトやWebアプリのブラウザ上で動作するプログラミング言語です。
PHPやRubyなどのプログラミング言語はサーバーで処理を行いますが、JavaScriptはフロントエンド(ブラウザ)で処理を行うのが特徴で、パソコン、スマートフォンを問わずWebブラウザ上で動作する実質的に唯一の言語と言えるでしょう。
そのため、Webサイトやブラウザ上で動作するアプリなどを構築するために必ずマスターしなければいけない言語の一つとも言えます。
JavaScriptはプログラミング言語のJavaと名前は似ていますが、書き方もプログラムの処理方法も全く別の言語です。
また、JavaScriptを拡張したTypeScriptとは互換性があることで知られ、ブラウザ上で動作する点や文法など多くの類似点があります。
JavaScriptはバージョンにより、ブラウザでの対応状況が違い、古いブラウザを利用する場合は古いバージョンのJavaScriptの仕様に合わせる必要があります。
現在は2015年以後に出たES2015(ES6)が標準仕様となり、毎年少しずつバージョンアップが行われています。
JavaScriptでできること・用途
WebサイトやWebアプリを構築する上で、必須ともいえるJavaScriptの用途について詳しく見ていきましょう。
要素(画像やテキスト)の動的な表示
JavaScriptでは、Webページの作成に使われるHTMLやCSSの要素をプログラムで操作することで、画面上の文字や画像に動きをつけることができます。
スマートフォン・タブレット用のページでよく見かけるハンバーガーメニューや、順番に表示を入れ替えるカルーセルメニューなどはJavaScriptによるものです。
ブラウザ上で処理を行うJavaScriptによって、ページ遷移や不要なロード時間を減らし、ユーザーにやさしいページを作ることができます。
ポップアップなどWebブラウザの操作
Webページにおけるポップアップは、広告や簡単なヘルプなどの用途で利用されていますが、これもJavaScriptによるものです。
また、JavaScriptはウインドウのサイズを指定したり、コピーや印刷など、ウインドウ上での操作に制限をかけることもできます。
入力フォームのエラーチェックや制御
入力フォームでメールアドレスや電話番号などが正しく記載されているかを調べる際にもJavaScriptは使われています。
文字列が規則通りになっているかを瞬時に確認できるため、次のページに移る前にエラーメッセージを表示して修正を促すことが可能です。
また、フォームの入力補助として、カレンダーやイベントスケジュール、在庫数などと連動した動的なボタンなどにも使用されています。
APIの呼び出し
API(Application Programming Interface)とは、外部のサイトのプログラムから機能を呼び出して使える仕組みです。APIを公開しているサイトから機能やデータを受けて使用する際にJavaScriptを利用します。
Google Mapや、Amazonや楽天の商品検索APIなどが有名で、JavaScriptを使うとAPIで取得したデータをリアルタイムにページに反映させることができ、Webアプリなどでは特にAPIを利用するケースが多いです。
サーバサイドでの処理
JavaScriptはWebブラウザ上での実行が前提でしたが、Node.jsといったサーバサイドの実行環境を構築することでPHPやPythonのようにサーバサイドでJavaScriptのプログラムを実行できるようになります。
そのため、チャットやスマホアプリなどでの非同期通信の処理やDBやサーバ上のファイルとの連携など、JavaScriptで構築できるサービスやアプリケーションの可能性が広がるようになりました。
複雑な処理も豊富なライブラリ・フレームワークで簡単に実装可能
これらのようなアニメーションやAPI連携をゼロからコーディングするとなるとかなり難易度も高くボリュームのあるプログラムになりますが、JavaScriptにはライブラリやフレームワークが非常に豊富なため、簡単に実装が可能です。
例えば下記のようなライブラリ、ライブラリをもとにしたフレームワークなどが有名です。
- jQuery … Ajaxやアニメーションなどライブラリ。表示系のJS製プラグインのベースに使用されることも多い
- Bootstrap … twitter社が開発したデザインやパーツ、レイアウトなどを中心としたフロントエンドフレームワーク。Bootstrap製のデザインテンプレートなども多く公開されているため、カスタマイズが標準化できる。
- Vue.js … Webアプリなどに利用されるUIライブラリ。noteなどで利用されている。Vue.jsをベースにしたNuxt.jsフレームワーク上で使用されることが多い。
- React.JS … meta社(旧Facebook)が開発したWebアプリなどに最適なUIライブラリ。スマホアプリなどとの連携が容易で、高速に動作するのが特徴。React.JSをベースにしたNext.jsフレームワークとともに利用されることが多い。
JavaScriptでの副業案件に必要なスキルと報酬相場
JavaScriptは、WebサイトやWebアプリのUIにおいて、ほぼ必須となっているため、案件の種類も規模も求められるスキルもさまざまです。
今回はJavaScriptを使った副業案件を難易度別に3つ紹介します。
Webサイトのコーディング・UIの実装
見本となるデザイン画像や仕様書をもとに、WebページをHTMLやCSS、JavaScriptによって構築します。初心者にも取り組みやすい副業案件が比較的多いです。
必要なスキル
Web制作会社からの案件が多く、クライアントによっては、使用するライブラリやフレームワークなどが指定されることも多いため、そういった知識も必要になります。
- Webデザイン・レイアウトの基礎知識
- HTML・CSS
- JavaScriptフレームワーク(jQuery、React、Vueなど)
案件の相場と難易度
案件の難易度としては低~中で副業でも受注しやすいのが特徴です。
相場としては、JSベースのWebサイトコーディングならページあたり5,000~10,000円の案件、アニメーションや動的なUIの実装で10,000円~50,000円ぐらいが多いです。
フロントエンドエンジニア
WebサービスやWebアプリのフロントエンドの設計・開発にあたるエンジニアで、実装だけでなくWebを使ったシステムやサービスの設計など上流工程から参画することも多い職種です。
HTMLやCSS、JavaScriptの知識はもちろん、APIの利用やバックエンドで働くプログラム言語の知識、ネットワーク知識、マーケティングやSEO(検索エンジン対策)の知識が必要な場合もあります。
必要なスキル
前述のWebサイトのコーディング・UIの実装のスキルに加えて下記のようなスキルが必要になるケースが多いです。
- APIやAJAXの知識
- UI/UXの知識
- gitなどのバージョン管理ツールやマネージメントツールの知識
- SEO(検索エンジン対策)の知識(案件による)
- 要件定義スキル
案件の相場と難易度
フロントエンドエンジニア関連の案件はリモートなどでミーティングを行ったりするため、副業案件であっても受注型の固定報酬より時給や日給での案件が多いです。
難易度は中~高で、開発の上流工程の業務に関わると、難易度とともに報酬は高くなる傾向です。
時間単価で2,500~5,000円の案件が多く見られます。
システム開発
WebサービスやWebアプリなどのWeb系システムで、JavaScriptを使う部分の開発を担当します。
また、特定の機能をもったJavaScriptプログラムや、プラグイン(アドイン)の開発を行います。
HTMLやCSS、JavaScriptの知識に加え、APIや他プログラミング言語、データベース、サーバーやネットワークなどの知識が必要な場合が多いです。
フロントエンドエンジニアと必要なスキルが似ていますが、よりバックエンド寄りの知識も必要になる場合が多いです。
また、小規模な案件の場合、すでにあるサイトやシステムに単一の機能を追加するようなケースもあります。
必要なスキル
- APIやAJAXの知識
- UI/UXの知識
- データベースの知識
- gitなどのバージョン管理ツール
- PHPやRubyなどバックエンド向けのプログラミング言語の知識
- SEO(検索エンジン対策)の知識(案件による)
- サーバやインフラの知識
- テストやデバック、システム設計などシステム開発全般の知識
案件の相場と難易度
システム開発案件は、時間単価で3,000~5,000円、固定報酬で50,000~200,000円ほどの案件が多く見られます。
大規模な開発現場にエンジニアとして参画する案件では、月給(フルタイム換算)で40~60万円が多いです。
以前よりも副業案件も増えてきており、固定報酬の案件の場合、受注から開発、納品まで1人で行える案件もあるため、技術の高いエンジニアならかなり稼げる副業になるでしょう。
JavaScriptの習得におすすめの学習ツールと学習順序
JavaScriptでの副業において、フロントエンドエンジニアやシステム開発は実務経験がなかなか難しい職種ですが、それに比べてWebサイトのコーディング・UIの実装は取り組みやすい副業案件と言えます。
ここではプログラム未経験者や初心者が、JavaScriptを使ってそういった副業案件を受注できるスキルを身に着けるためのおすすめの学習ツールと学習の順序を紹介します。
Progate(プロゲート)を使ってJavaScript関連を学習するおすすめの順序
Progateはエンジニアに必要なプログラミングやサーバー操作などをWebブラウザ上で学習できるサービスです。
無料プランもありますがコースは限られるため、有料プラン(月額1,078円)がおすすめです。
Progateを使ってJavaScriptを学習する際のおすすめのコースと順序は
- HTML&CSS
- JavaScript
- jQuery
- React
がおすすめです。
その後、サーバサイドとしてPHPやNode.js、CSSコーディングの効率化を図るうえでSass、プロジェクト管理などで使うことが多いGitなどがおすすめです。
ドットインストールを使ってJavaScript関連を学習するおすすめの順序
ドットインストールはプログラミング初心者向けのeラーニングサイトです。
HTMLやCSS、JavaScriptだけでなく、サーバー操作やその他のプログラミング言語など多くの内容を学習できます。
動画の中で、エンジニアが解説を行いながら実際にコードを打っていくので、プロのタイピングや思考のスピードを実感できるのもメリットです。
無料でも多くのレッスンを受講できますが、やはり有料プラン(月額1080円)がおすすめです。
JavaScriptを使ったたくさんのミニアプリの制作にチャレンジできるため、プログラミングの実務もイメージしやすくなります。
ドットインストールを使ってJavaScriptを学習する際のおすすめのコースと順序は
- (目的別で探す)Webサイトを作れるようになろう
- (目的別で探す)Webサイトに動きをつけてみよう
で、HTML、CSS、JavaScriptの基本を身に付けた後、構築の効率化が図れる
- Bootstrap 5入門
- jQuery入門
- React入門
- ReactでTodo管理アプリを作ろう
がおすすめです。
かなりボリュームがありますが、丁寧に動画で解説されており、コースを進める中で同じようなコーディングが出てくるので、自然に復習しながら学習できるような印象です。
https://dotinstall.com/premium
CodePen
Codepenはブラウザ上でHTML、CSS、JavaScriptのコードを書くことができその結果をリアルタイムに確認することができる無料のサービスです。
書籍学習後に手を動かしたい場合や、自分で何か開発してみようという場合に、CodePenを使って試してみるとよいでしょう。
jQueryやVueなど外部ライブラリの利用や、他のユーザーが書いたコードを読むこともできます。
実際の操作イメージは下記の動画のような流れです。
ある程度、コーディングに慣れてきたら、ローカル環境にWebサーバを構築するほうが効率的に学習ができるため平行して環境構築にも挑戦してみましょう。
JavaScriptの副業案件が見つかりやすい3つのサイト
JavaScriptで副業をしたい場合、案件はどこで探すのがよいでしょうか。
プログラミング初級者の場合、難易度が高くない案件が多く取り組みやすいクラウドソーシングサイト、すでに実務経験があるエンジニアにおすすめのフリーランスや副業向けの人材エージェントがおすすめです。
クラウドワークス
クラウドワークスは法人・個人を問わず、委託業務をサイト上で契約できるサービスです。
副業可能案件が非常に多いので初心者や実績を積みたい人はクラウドワークスから始めてみるとよいでしょう。
JavaScript案件はWebデザイン関係やフロントエンドエンジニア案件が多いですが、同社が提供するエンジニア専門のクラウドテックからシステム開発案件が募集されることもあります。
ランサーズ
ランサーズもクラウドワークスと同様のサービスで、「JavaScriptでサイトにアニメーションを実装します」「HTML, CSS, JavaScriptを使ったコーディングを代行します」など、自分のスキルを商品化して売り込むことができるのが特徴です。
売り込みだけでなく案件の募集も多く、種類もWebデザイン案件からシステム開発案件まで幅広いため、初心者から高レベルのエンジニアまで登録しておいて損はありません。
i-common-tech
人材派遣で有名なパーソルグループのサービスで、フリーランスのIT系エンジニアとエンジニアを求める企業をマッチングします。
マッチングはスタッフがサポートしてくれるため、時間帯や勤務日数、報酬などについても自分の希望にあった仕事を見つけやすくなっています。
基本的に常駐エンジニアとしての業務を求められるため、JavaScriptの中でもシステム開発やフロントエンド開発などのレベルが高い案件になります。
JavaScriptだけでなく、サーバやデータベース、JavaやPythonなどWeb開発全般の知識や経験が必要ですが、高い報酬が見込める案件や中~長期の契約ができる案件が多いのが特徴です。
i-common-techの他にも様々なフリーランス向けのエージェントサービスがあります。
失敗しないエージェント選びの方法についてはこちらの記事を参考にしてください。
フリーランスのエンジニアとして高収入を目指せるおすすめのエージェントはどこ?
まとめ
JavaScriptは、規模にかかわらずほとんどのWebサイトやWebサービス、Webアプリで利用されており、高度なスキルを持つ人材は常に人材不足です。
ただ、利用範囲が広いことから簡単な案件も多く、プログラム未経験者や初心者が学習しながら副業に取り組むのに最適です。
JavaScriptだけでなくライブラリや高度なフレームワークのスキルを身に着ければ単価や時給などもUPできるため、目標を決めてスキルアップを目指しながらどんどん実務にチャレンジしていきましょう!