この記事の要点

  • 括弧はメリハリをつけるときに使う
  • 文章を読みやすくする括弧には9つ、大中小の順
  • 括弧を使用する際は読み手視点で。使い過ぎに注意

コンテンツ作成の際、括弧(かっこ)は読み手への読みやすさを意識するうえで欠かせません。

また、括弧は種類が多いため、場面によって使分けるのが一般的です。

それぞれの括弧に合った「使い方」「順番」の規則を守って使用することによって、読み手のストレスも減り、とくにネット記事の場合は滞在率アップにつながります。

逆に間違った使い方をしてしまうと、読み手はストレスを感じ、あなたのコンテンツを最後まで見てくれる確率は低くなるでしょう。

この記事では「全ての括弧(9種類)の使い方」「括弧を使用する際の順番」をわかりやすく解説します。

読みやすく、恥ずかしくないコンテンツ作りをしたい方は必見です!

括弧を使う目的とは?括弧をうまく使うポイント

括弧を使う目的は、文章や数式を見やすくするためです。

まずは括弧の使い方や順番を知る前に、うまく使うためのポイントを覚えておきましょう。

  • タイトルで括弧を使う時はできるだけ1つ。多くても2つまでにしよう
  • 鉤括弧(かぎかっこ)を連続で使う際は間を空けないようにしよう(使用例:「渋谷」「新宿」は東京のお膝元だ)
  • 長くなり過ぎて読みにくくなった文章に括弧を使うと見やすくなるので積極的に使おう

上記のポイントを意識するだけでも、読みやすい文章が作成しやすくなります。

それでは、さらに読みやすい文章を作成するために、括弧の「使い方」「順番」を以下で見ていきましょう。

使い分けよう!文章を読みやすくする9つの括弧

それでは、9つの括弧の使い方・順番・名称について紹介していきます。

「」鉤括弧(かぎかっこ)

鉤括弧は、文章中において主に会話部分であることを表すために用いられます。

例えば、下記のように使用するのが一般的です。

「こんにちは、元気ですか?」
「こんにちは、僕は元気です。あなたは?」

小説・Web記事など、いろいろな場面で見かけることが多いのではないでしょうか。

その他にも、引用、作品名、タイトルなどにも使われています。

また、「鍵括弧」ではなく、「鉤括弧」です。

漢字を誤らないように注意しましょう。

ちなみに「鉤」とは金属器具からきており、形が似ていることからそう名付けられたそうです。

鉤括弧と句点「。」について

注意点として、通常、鉤括弧の中の文末に句点「。」は使用しません。

ただし、鉤括弧内に2文以上ある場合、文末以外は句点を使用することができます。

OK例:「今日は雨ですね。明日は晴れるといいですね」
NG例:「今日は雨ですね。明日は晴れるといいですね。」

この使用法は出版業界では広く知られており、書籍やWeb上でも一般的に踏襲されているものです。

しかし、公用文や学校教育などで参考にされている文化庁の「くぎり符号の使ひ方〔句読法〕(案)」では、次のように記されています。

準則:「」(カギ)の中でも文の終止にはうつ。
用例: 「どちらへ。」 「上野まで。」
参考:文化庁「くぎり符号の使ひ方〔句読法〕(案)

鉤括弧内の文末に句点「。」が入っていても間違いではありませんが、コンテンツを作成するうえでは出版業界の常識にならって、文末に句点を使用しないほうが望ましいでしょう。

()丸括弧(まるかっこ)

丸括弧は別名「パーレン」と呼ばれており、括弧の中でも特に使用頻度が高いといえます。

使い方としては、漢字・英語の読み方を表記するときや、内容についての解説など、補足として使用されることが多いです。

(1)(2)など、番号を括る際にも使われています。

また、数式上では、大中小ある括弧のうち小括弧(しょうかっこ)と呼ばれることもあります。

しかし、海外では日本における大中小の順番で使用しないこともあるため、現在「小括弧(しょうかっこ)」は正しい読み方とされていません。

大中小の括弧の順番については、後述の「[]角括弧(かくかっこ)」の項で説明します。

丸括弧と句点「。」について

鉤括弧と同様、丸括弧内の文末に句点「。」を使用しないことが出版業界の通例となっています。

OK例:館内に飲食物(ガム等を含む)を持ち込まないでください。
NG例:館内に飲食物(ガム等を含む。)を持ち込まないでください。

また、丸括弧が文末に使用される際は補足説明あるいは引用表記としての役割を持つことが多いのですが、文末の句点「。」の位置が丸括弧の前後どちらにつくかは、その役割によります。

使用例1:お気軽にご相談ください(メール・電話対応可)。 ※補足説明
使用例2:括弧とは、数式や文章の中で、ある部分をかこって、他との区別を明らかにするための記号。(広辞苑) ※引用表記

【】墨付き括弧(すみつきかっこ)

墨付き括弧は、文中の語句の強調、本や見出しなどのタイトルを表す際に使用されます。

順番については決まっておらず、単独で使われることが多いです。

また、別名を墨付きパーレン、太亀甲(ふときっこう)、黒亀甲(くろきっこう)などといいます。

『』二重鉤括弧(にじゅうかぎかっこ)

二重括弧は、文中での強調や、曲・書籍、映画といったコンテンツのタイトル表記に使われることが多いです。

少し特殊な使い方が一つあります。それは会話文の中で、別の人の会話文を引用する使い方です。

具体例としては下記のような使い方になります。

「お母さんが『知らない人にはついて行くな』と言っていたよ」

順番としては、上記のように「」→『』という流れで使われますが、その他では特に決まっていません。

<>山括弧(やまかっこ)

山括弧は、強調・引用の際に使用されることが多いです。

例えば、以下のように使われます。

「道を進むと<進入禁止>と書かれた看板が見えてきた」
「ポストには<不在通知>と書かれた書物が入っていた」

呼び方は、山パーレン(やまぱーれん)、angle bracket(アングルブラケット)などと呼ばれています。

≪≫二重山括弧(にじゅうやまかっこ)

二重山括弧は、括弧内での文章の強調として主に使用されます。

例えば、下記のように使われることが多いです。

「大事なのは≪行動力≫である」
「明日はいよいよ≪決戦の刻≫である」

こちらの山括弧も、使い方や順番に規定はありません。

{}波括弧(なみかっこ)

波括弧は、見出しのアクセント、強調として使われることが多いですが、あまり使用頻度は高くありません。

日本の数式上では中括弧(なかかっこ)として使われることも。

その場合では、大括弧の次に使用されることが原則として決まっています。

しかし、海外では一番目に使用されることが多いです。

英語では「brace(ブレイス)」「curly bracket(カーリーブラケット)」などと呼ばれています。

〔〕亀甲括弧(きっこうかっこ)

亀甲括弧は、縦に構成された文章において使用されることが多いです。

主に強調、引用の補足として使い分けされています。

使用例としては、下記のイメージです。

「〔私自身が〕それを知ることはなかった」
「家に帰ると〔父と母の〕食べ残しが食卓に並んでいた」

順番は、鉤括弧・丸括弧の中、または単独としての使用となります。

[]角括弧(かくかっこ)

角括弧の用途は、形もそっくりである亀括弧と似ており、引用の際の補足、注記として利用されることが多いです。

半角と全角の表記がありますが、和文本文としての組み合わせで使う場合は、全角での使用が一般的です。

角括弧は英語で「bracket(ブラケット)」と呼ばれ、日本での別名を「大括弧(だいかっこ)」と言います。

角括弧・波括弧・丸括弧の順番について

順番は、「[]大括弧(角括弧)」→「{}中括弧(波括弧)」→「()小括弧(丸括弧)」となり、数式ではこれが一般的です。

例:[{(A-B)×C}-D]+E=F

しかし、海外では、大括弧より先に中括弧を置くことが多くなっているため、最近では大括弧という名称も正しいとは言えません。

括弧の使い過ぎに注意。注意したい括弧の使い方

括弧の使い過ぎには気を付けましょう。

文章を見やすくするという目的で使用する括弧ですが、使い過ぎるとかえって見づらい文章になってしまうからです。

NG例:「『大特価!』今なら、この【特性ジュース】を!【100円】で購入することができます!」

例えば、上記のような文章を見た読み手は、下記のように思います。

  • 括弧が多すぎてどの情報が一番大切なのか分からない
  • ・括弧が多すぎてスラスラと読めない(文のリズムが悪い)

見やすいと思う人も中にはいるかもしれません。

しかし、括弧は文字の装飾と同じで、使い過ぎると文字以外の情報が増え、読み手にストレスを与えてしまいます。

そのため、記事を作成した後は「文章の中で括弧を使い過ぎているところはないか」という視点での確認も重要です。

括弧を使用する際は読み手の立場にたつことが重要

括弧は、数式上以外においては、強調・引用の補足として使用されることが全体的に多く、順番・規定のないものがほとんどです。

強調で使いたい場合は、場面によってどの括弧が適切であるかを加味して考えるのがおすすめです。

例えば、タイトル文での強調は【】(墨付き括弧)、文中での強調は『』(二重鉤括弧)などが見やすいでしょう。

以上のように、括弧にはたくさんの種類・使い方があります。

コンテンツ作りの際に迷ったときは、読み手の読みやすさを優先的に考えた括弧を選べば問題ないでしょう。