ペルソナとは?意味やマーケティング時に設定するメリットや作り方

この記事の要点

  • ペルソナとは、マーケティングにおける商品やサービスを利用する「架空のユーザー像」である
  • 「ターゲット」より細かい設定をすることで、具体的なユーザー像として共通認識できる
  • 顧客のニーズが明確になることで、訴求力が上がり効果的なマーケティングができる

ビジネスをするうえで大切なマーケティングの要素のひとつとなるのが、「ペルソナ」の設定です。

なんとなくわかるけど、詳しくはわからないという方もいるのではないでしょうか。

この記事では、マーケティングにおけるペルソナの意味や作り方について説明します。

メリットや具体例、注意点も解説するので、ペルソナ設定の参考にしてみてください。

ペルソナの意味とは

もともとは「仮面」を意味し、心理学的には「自己の外的側面」を意味するペルソナですが、ビジネス用語では違う意味で使われます。

ペルソナとは

マーケティングにおけるペルソナとは、商品やサービスを利用する「架空のユーザー像」です。

どのような人物か想像しやすいように、性別・年齢・職業・居住地・家族構成・年収・趣味などを設定します。

実在するかのような具体的な設定をすることで、ユーザーニーズの分析ができ、商品やサービスのマーケティング戦略に役立ちます。

ペルソナとターゲットの違い

「ペルソナ」とよく混同されがちなマーケティング用語に、「ターゲット」があります。

両者には、どれだけ詳細な設定かという違いがあり、ペルソナの方がより深く細かな人物像の設定がされます

ペルソナとターゲットの比較表

ターゲットの設定項目の例ペルソナの設定項目の例
年代年齢
性別性別
職業職業
趣味趣味
-居住地
-家族構成(配偶者・子供・同居人)
-学歴
-収入
-性格
-悩みごと
-生活パターン・ライフスタイル

マーケティング時にペルソナを設定するメリット

ターゲットより細かくペルソナを設定することには、どのようなメリットがあるのか3つ紹介します。

チームや関係者の間で共通のユーザー像を持てる

プロジェクトの対象としているユーザー像があやふやだと、チーム間で認識や意見がバラバラになってしまうことも。

ペルソナを設定すると、商品やサービスのコンセプトが明確なることで作業の質が向上し、やり直しの手間を防げます

顧客のニーズが明確になり訴求力がアップする

詳細な設定をされたペルソナは、商品やサービスに何を求めているのか想像しやすくなります。

ペルソナのニーズが明確になることで、魅力的で訴求力のある商品やサービスを生みだせるようになるのです。

より効果的なマーケティングができる

見込み客の具体的な情報を設定することで、広告に使う媒体や配信時間などの戦略を立てられます

ユーザーに適格なアプローチをすることで、効果的なマーケティングを促進します。

ペルソナの作り方と具体例

ペルソナとは?意味やマーケティング時に設定するメリットや作り方_ペルソナの作り方

ペルソナを設定する手順と、具体例を紹介します。

ペルソナを設定する3ステップ

ペルソナを設定するには、3つの手順を踏みましょう。

  1. インターネット・アンケートなどで情報を収集する
  2. 収集した情報を分類し、ペルソナに採用する要素を分析する
  3. 具体的な人物像として落とし込む

ペルソナの具体例

ターゲットが、企業と消費者の取引のビジネスモデル「BtoC」と「BtoB」のどちらであるのかで、ペルソナの設定方法が変わります

BtoC向け

Consumer(一般消費者)としてリアリティのある人物像にするため、以下の項目を設定します。

提供する商品・サービスに必要な要素も検討し、必要があれば追加しましょう。

名前〇〇〇〇
年齢29歳
性別女性
居住地大阪
家族構成(配偶者・子供・同居人)賃貸マンションで1人暮らし
学歴大学(経営学部)卒業
職業製薬会社勤務(営業職)
収入年収 480万
性格リーダーシップがあり、コミュニケーション能力が高い。
仕事も趣味も行動力がある。
趣味国内旅行(温泉)、海外旅行(東南アジア・ヨーロッパ)、料理
悩みごと海外一人旅がしたいけど、英語に自信がない。
生活パターン・ライフスタイルオンライン英会話で英語の勉強を最近始めた。
家ではインターネットをよく利用し、YouTubeで動画を見ることが多い。

BtoB向け

ターゲットがBusiness(企業)である場合、設定方法が変わります。

一個人を対象としたペルソナと違い、「組織のペルソナ」と「組織の担当者」の2種類のペルソナを設定します

組織のペルソナ

組織名株式会社〇〇印刷
業界/業種印刷業
組織の規模資本金:3,000万円
従業員数:90人
組織の課題・実現したいこと新事業領域として、コンテンツ事業に取り組みはじめたが、業績に伸び悩んでいる。

担当者のペルソナ

名前〇〇〇〇
性別男性
年齢48歳
所属デジタルコンテンツチーム
役職課長
業務担当の年数2年
悩み・やりたいこと動画制作を簡易的に行えるシステムを導入し、制作コスト削減をしたい

ペルソナ設定をするときの注意点

ペルソナを間違えた方向で設定すると、マーケティングの妨げになりかねません。

設定する際の注意点を解説します。

理想や思い込みを人物像に反映しない

商品やサービスに対する想いから、ユーザーに対して理想像が入り込む場合があります。

提供側の思い込みが反映されないよう、収集した一次情報を数値化し、分析した結果をもとに設定しましょう。

わかりやすく身近にいそうな設定にする

収入や立場など、生活スタイルがかけ離れたペルソナでは、イメージを共有することが難しくなります。

身近にいる人として、想像しやすい人物像を設定しましょう。

定期的に設定を見直す

一度設定したペルソナも、実際に運用してみた結果、違和感があったり期待した効果が出なかったりする場合もあります。

定期的にペルソナの設定を見直し、軌道修正をすることが大切です。

まとめ

マーケティング効果を最大化するために、ていねいなペルソナ作りは大切な要素です。

大勢向けのニーズより、ピンポイントなユーザーニーズを満たすことを意識すれば、より顧客に刺さる訴求ができます。

ペルソナ設定をしてPDCAをまわし、ビジネス拡大に役立ててみてください。