この記事の要点
- Laravel(ララベル)は人気No.1のPHPフレームワーク
- バージョンアップが頻繁に実施されるなど、機能性や将来性が非常に高い
- インストールも非常に簡単で学習しやすいので初心者におススメ
以前、PHPではフレームワークの知識があると有利であるとご紹介していました。
PHPフレームワークのなかでも、群を抜いて人気No.1なのが「Laravel」(ララベル)です。
Laravel公式
https://laravel.com/
Laravelの魅力は、何といっても機能性の高さです。
最新技術への対応が早いことから将来性も高く、次世代を担うPHPフレームワークと言えます。
この記事では、いま大注目のLaravelの入門編として、使い方と学び方を詳しくご紹介していきます。
目次
PHPフレークワークとは?
PHPフレームワークとは、PHPアプリケーション開発を効率的に進めるために用意された機能群、枠組みのことです。
コーディングを統一化し、作業工数や不具合を減らすことができるPHPフレームワークは、多くの現場で利用されています。
PHPフレームワークは、大きく分けて2種類に分類することができます。
1つめは「フルスタックフレームワーク」。
アプリ開発に必要なすべての機能が実装されている、フル装備のフレームワークです。
今回ご紹介する「Laravel」のほかに、「CakePHP」「Symfony」などの種類があげられます。
機能が複雑なため学習コストがやや高めですが、習得すれば開発の大きな助けになります。
もう1つは「軽量フレームワーク」。
文字通り軽量で、必要最低限の機能のみを搭載しているフレームワークです。
「Slim」「CodeIgniter」などの種類があります。
PHPのフレームワークにはたくさんの種類があり、どのフレームワークを学習するか悩む方もいるかと思います。
2022年最新のPHPフレームワークベスト10、さらに初心者におススメの3つをご紹介しているので、参考にしてみてください。
Laravelの特徴と他のフレークワークとの違い
Laravelの特徴と、他のフレームワークとの違いについて説明しておきましょう。
Laravelの特徴
Laravelは、大規模開発向けフレームワーク「Symfony」(シンフォニー)をベースとして、2011年に作られました。
名前の由来は、C・S・ルイス作の小説『ナルニア国物語』に出てくる王城「Cair Paravel」(ケア・パラベル)からとされています。
Laravelは「MVCモデル」を導入しており、「Model」「View」「Controller」それぞれの機能を独立して開発できるのが特徴です。
アプリケーションを分業・並行して開発を進められるため、リリースまでの開発期間を短く抑えることができます。
Laravelと他のフレームワークとの違い
PHPフレームワークにはさまざまな種類がありますが、Laravelの大きな違いはバージョンアップの頻度でしょう。
Laravelは2011年のリリースから2022年2月までの間に19回ものバージョンアップが行われており、細かい仕様変更にも丁寧に対応されています。
人気のフレームワークのためコミュニティや情報も多く、初心者に学習しやすいフレームワークと言えます。
また柔軟性・拡張性に優れているLaravelは、昨今注目されているアジャイル開発の現場でも利用されています。
Laravelを使った実際の案件の例
Laravelを使った実際の案件を見てみましょう。
大手IT求人サイト「レバテックフリーランス」でLaravelの案件を検索してみると累計1500件以上、募集中の案件のみでも100件以上ありました。
レバテックフリーランスでのLaravelの求人・案件一覧
Laravelを使った案件の種類
検索結果を見てみると、Laravelにはさまざまな種類の開発案件があることがわかります。
例をあげると
- フロントエンドシステム開発
- Webアプリケーション開発
- 基幹システム再構築開発
- システムリプレイス設計
- ゲームサーバーサイド開発
- 広告プラットフォーム開発
などです。
案件の規模を見てみると、大規模案件から中小規模のものまで確認できました。
また、案件の内容もBtoBからBtoC、さらにCtoC案件まで、幅広い求人があります。
Laravelを使った実際の案件の例
具体的な案件を見てみましょう。
例1 不動産ポータルサイト開発
開発環境:Laravel/PHP
募集職種:システムエンジニア(SE)
内容:システム全般の設計、改善提案、バックエンド、フロントエンドやインフラなど
Laravelだけでなく、PHPエンジニアとしての総合的な知識や経験が役に立つ案件です。
例2 学校向けWeb・スマートフォンアプリ開発
開発環境:Laravel/PHP/MySQL/Backlog
募集職種:アプリケーションエンジニア(フルリモート)
内容:基本設計、詳細設計、実装フェーズ
フルリモートによるアプリケーション開発の案件です。
教育業界に興味がある人には業界知識が身について良いでしょう。
例3 バトルロイヤルゲームサーバーサイド開発
開発環境:Laravel/PHP/MySQL・PostgreSQL・Redis/Chef・Docker・Ansible
募集職種:システムエンジニア(SE) / プログラマー(PG)
内容:サーバアプリケーション開発、ツールやシステムの環境構築、DB開発など
ゲームアプリ開発は近年とても案件数が多く、要件決めから実装まで幅広いスキルや知識が身に付きます。
その他にも案件を探せるプラットフォームはたくさんありますが、その中でも「クラウドリンクス」にはたくさんのPHPに関する案件がありました。
こういったサービスを活用することで、案件獲得に繋がるでしょう。
クラウドリンクスは下記リンクからチェックしてみてください。
Laravelのインストールは非常に簡単
Laravel公式ドキュメントを確認しながら、実際にインストールの手順を見ていきましょう。
今回はWindowsの場合の手順についてご説明します。
Macを利用している人は、公式サイトを参照してください。
手順1(準備) Docker Desktopをインストール
Laravelをインストールするためには、あらかじめDocker Desktopをインストールしておく必要があります。
Docker Desktopは、Laravelを開発および実行するためのコンテナ仮想環境を提供するツールです。
手順2(準備) WSL2のステータスを確認
Docker Desktopをインストールすると、「Windows Subsystem for Linux 2(WSL2)」が同時にインストールされます。
確認のため、Docker Desktopを起動して設定を表示します。
もし「Use the WSL 2 based engine」にチェックが入っていない場合は、チェックを入れておきましょう。
手順3 Laravelプロジェクトを作成
準備が完了したら、「Windows PowerShell」を起動します。
なお、Windows PowerShellがインストールされていない場合は、Microsoft Storeから無料でインストールしておきましょう。
「example-app」プロジェクトを作成する例として、以下のコマンドを実行します。
curl -s https://laravel.build/example-app | bash
コマンドを実行すると、自動でLaravelのインストールが始まります。
注意
Windows PowerShellでコマンドを実行した場合に、
コマンド パイプライン位置 1 のコマンドレット Invoke-WebRequest 次のパラメーターに値を指定してください: Uri:
のように、URIの入力を求められる場合があります。
この場合は、Microsoft Storeから「Ubuntu on Windows」をインストールして、設定を行う必要があります。
【Laravel8】WindowsでLaravel Sailを使用してdocker環境構築する方法
https://programming.sincoston.com/laravel8-windows-laravel-sail-construction/
手順4 Laravel Sailで開発環境を構築
セットアップが完了したら、Laravelプロジェクトのディレクトリまで移動し、以下のコマンドを実行します。
./vendor/bin/sail up
コマンドを実行すると、自動で開発環境が構築されます。
Laravelを学ぶのにおすすめの書籍や動画
Laravelを独学で学ぶための手段は、書籍と動画の2種類です。それぞれおススメのものをご紹介しましょう。
Laravelを学ぶおススメ書籍
書籍に関しては、目次などで内容を確認するとともに、レビューを参考にすると選びやすいでしょう。
また、出版年月日を確認し、なるべく情報が新しいものを選ぶようにします。
PHPフレームワークLaravel入門 第2版
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Laravel学習の入門書です。
Laravelの基本操作からMVCモデルに分けた開発についてなど、初心者に必要な情報が網羅されています。
やや出版年が古いですが、Web検索で最新情報との差分を取りながら学習するとよいでしょう。
基本をマスターしたら、次のステップとして『PHPフレームワーク Laravel実践開発』へ。
PHPフレームワーク Laravel実践開発をamazonで見る
さらに実践的な内容に進むことができます。
プロフェッショナルWebプログラミング Laravel〈最新Laravel 9対応〉
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Laravelの最新バージョン9にも対応した初級から中級向けの書籍です。
「Docker+Laravel Sail」の最新環境構築から始まり、つぶやき投稿アプリを作成しながら学習を進めます。
さらに、GitHubを利用したアプリケーションのテストやデプロイについても学習できます。
Laravelを学ぶおススメ動画
動画に関しては、教える人の話し方や教え方が「自分に合う」と感じたものを選ぶとよいでしょう。
動画学習だけでは知識が偏ってしまうことがあるので、書籍と合わせて学習すると効果的です。
【Laravelチュートリアル決定版】初心者でも作れるノートアプリを現役Laravelエンジニアが解説
Laravelには初心者用のチュートリアルが存在しないため、現役エンジニアが実践しながら解説している動画です。トータル1時間ほどで概要を理解できる構成になっています。
「simple note」というメモアプリを作成し、書籍では解消できない小さな疑問を解消してくれます。
【初めてから学ぶ!!Laravel入門】#00~#12
未経験からエンジニアに転職した経験をもとに、初心者向けにLaravelの解説をしている動画です。
1本の動画が10分前後、全13回の内容になっています。
ブログアプリを作りながら、DB操作やフォームの登録や更新・削除といったLaravelの基本的な操作や概念を説明してくれます。
まとめ
Laravelは、仕事の案件数も多く将来性も高い、人気No.1のPHPフレームワークです。
使い方や学び方も他のフレームワークに比べると難易度が低く、初心者でも安心して始めることができます。
PHPエンジニアとして最先端のLaravelを習得し、業務に活かしていきましょう!
さらに、Laravelの他に「CakePHP」や「CodeIgniter」も初心者におすすめのPHPフレームワークです。
さまざまなフレームワークについて解説している、こちらの記事も参考にしてみてください。