この記事の要点
- PythonではスクレイピングやExcel操作、ブラウザ操作などの自動化ツールの作成が可能
- 自動化ツールの導入で業務効率化が期待でき収入を増やせる
- 自動化ツール作成にはPythonの基礎知識だけでなくライブラリの知識が必要不可欠
AIや機械学習、ディープラーニング(深層学習)が盛り上がったことで注目を集めたPython。
Pythonは、少ないコードで簡単にプログラムが書けるため、誰が書いても同じコードになり読みやすく書きやすいプログラム言語として知られています。
そのため、需要が多くあり将来性にも注目が集まっています。
Pythonは数学的なデータ処理能力が高いこと、連携できるアプリが多いことから、自動化ツールの作成に用いられることが多いです。
今回は、Pythonでどのような自動化ツールを作成できるのかを解説し、Pythonで業務効率化するメリットや学習におすすめのサイト・書籍も紹介していきます。
Pythonとはどのような言語なのか、Pythonの得意な分野の詳細については、以下の記事が参考になります!
目次
Pythonの自動化でできること4つ
Pythonは自動化を得意とし、パソコン上で行うほとんどの作業はPythonで自動化できるといわれています。
単調な作業や日々繰り返し行っている作業を自動化することにより多くのメリットが得られるでしょう。
ここではPythonで自動化できる4つの作業を紹介します。
スクレイピング
スクレイピングとは、Webページから必要な情報を自動で抽出・取得することです。
例えばスクレイピングを使って、
- ニュースサイトから特定のワードに関するニュースを取得し、保存する
- Googleで条件検索を行い検索結果から、タイトルとURLの一覧を取得する
- 株価データを掲載しているサイトから株価情報を取得し、グラフ化する
- Twitterでキーワード検索し、ツイート情報やユーザー情報をcsvで保存する
などが自動化できます。
手作業でこれらを行うとかなりの時間を要しますがPythonを使うとほんの数秒でデータ収集ができます。
スクレイピングを行うために必要なPythonライブラリはいくつかありますが、メジャーなものはRequests、Beautiful Soup、Scrapyなどです。
- Request
HTTPライブラリでサイト(HTML)を取得できる - Beautiful Soup
検索条件やCSS セレクタでHTML要素を取得できる - Scrapy
クローラーを実装するためのフレームワーク
ライブラリそれぞれで得意なことが異なりますので、目的に合わせてライブラリを選択しましょう。
WordやExcelの操作
Pythonを使えば、WordやExcelなどのMicrosoft製品の操作を自動化できます。
Excelの自動化といえばExcel VBAを思い浮かべる方が多いと思いますが、Pythonでは他のアプリとの連携ができる点や、MacやWindowsなど機種に依存せずに自動化できる点などメリットが多いです。
Excel操作は「OpenPyXL」、Word操作は「Python-docx」というライブラリを使用し、以下のような作業を自動化できます。
- ファイルの読み込み
- 新規作成や保存・編集
- 画像の貼り付け
- Excelの文書をWordに書き起こす
- クラウドサーバーへのファイルアップロード・ダウンロード
ブラウザ操作
Webブラウザでのクリック操作やキーボード入力などもPythonで自動化が可能で、「Selenium」というライブラリを使用することで実現できます。
人が操作しているかのように、ブラウザ上のフォーム入力やクリック、キーワード検索、ブラウザの遷移、ファイルのダウンロードなどが可能です。
このようなライブラリを用いることで、日々何気なく行っているルーティン作業を効率化できるでしょう。
API連携
GoogleのアプリケーションやTwitter、Instagram、LINEなどのAPIを利用すれば、それぞれのアプリと簡単に連携したプログラㇺを構築することができます。
APIを使用すると手作業で行っていた作業が自動化できるので、次のような情報の抽出や操作が実現可能です。
- メールの自動送信(Gmail API)
- Twitterにて自動で「いいね」、自動ツイートを行う(Twitter API)
- LINEアカウントでBotを作成し、ユーザーへメッセージを自動送信(LINE Messaging API)
- 楽天から商品を検索し商品データを収集する(楽天商品検索API)
Pythonで業務効率化するメリット
自動化ツールを利用すると今までルーティンで行っていた作業を自動化でき、業務効率化に繋がるでしょう。
企業ではデジタル化によりアナログ作業廃止することで、
- 残業時間の減少によって、人件費の削減
- 属人化していた業務が誰にでもできる仕事になる
などの効果を発揮しています。
では個人がPythonで自動化ツールを利用することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここではPythonで業務効率化する3つのメリットを紹介します。
自由に使える時間が増える
Pythonで日々行っているさまざまな作業を自動化することにより、残業時間が減る、浮いた時間を他のことに充てられるなど効率的に時間が使えます。
例えば8時間の業務のうち2時間かかっていた業務を自動化できれば、作業時間は6時間で済むようになるので浮いた2時間を自由に使えることになりますね。
ルーチンワークを自動化することで業務に集中できるほか、浮いた時間は勉強や別の業務、副業をする、趣味など自分の好きなことに使えて収入がアップする可能性もあるでしょう。
人為的なミスが減る
単純作業の繰り返しや確認作業などは人が行うと時間がかかると同時に、一定の確率で起こるヒューマンエラーは防げません。
Pythonで自動化をすると打ち間違いや操作ミスなどといった人為的なミスがなくなるため、確認作業や修正対応がなくなります。
スキルアップが副業に繋がる
Pythonの自動化にはプログラミンの知識やライブラリの扱い方、APIなどさまざまな知識が必要です。
これらは案件ニーズも高いため、Pythonのエンジニアとして副業案件が取りやすくなるでしょう。
案件を獲得する以外にも培ったスキルでWebアプリケーションを作成して販売したり、TwitterやInstagramの自動化や、金融商品の自動売買などを行って不労所得を築く方もいます。
Pythonで副業を獲得できるプラットフォームの1つに、クラウドリンクスがあります。
ざっと見ただけでもたくさんのPythonの案件がありましたので、活用することで副業につながるでしょう。
Pythonの自動化ツール作りで必要なもの
ここまで説明してきたようにPythonの自動化ツールの作成は、Python単体では難しいため外部ライブラリやAPIを使用します。
自動化ツールを作成するにはPythonの基本的な文法や知識だけでなく、ライブラリなどの知識が必要です。
Pythonの基本文法
まず必要なのはPythonの基本的な書き方や知識です。
参考書やテキストのほか、検索エンジンで「Python 入門」と検索すると多くの学習サイトが見つかります。
これらを活用したり、YouTubeやUdemyなどの動画教材を参考にするなどして学習を進めましょう。
初めてプログラミングを学習する場合は相談できる人がいる状態が理想なため、独学での学習が難しいときはオンラインスクールやメンターサービスの活用などがおすすめです。
目的に応じたライブラリやAPIの知識
Pythonで使えるライブラリは豊富にあるので、手当たり次第に勉強していては作りたい自動化ツールはなかなか完成しないでしょう。
「自分がどんな自動化ツールをつくりたいか」「何を自動化したいか」という目的を明確にし、目的達成のために適したライブラリの使い方を学ぶことが大切です。
作成した自動化ツールを販売・外部に公開するためには、使いやすく見やすいように表示を整える必要があるため、HTMLやCSSなどWebページの表示に関する知識を身につけるのもおすすめです。
Pythonの自動化の学習におすすめのサイト・書籍
最後にPythonの自動化ツール作成の学習におすすめの教材を学習サイトと書籍に分けて紹介します。
先ほども紹介したように自動化ツール作成には「Pythonの基礎文法」と「ライブラリやAPIの知識」それぞれが必要なことを忘れないでください。
Pythonの自動化の学習におすすめのサイト
Pythonの基礎知識だけでなく、ライブラリの使い方やAPI連携など自動化に必要な知識を学習できるサイトをまとめました。
Pythonを学習できるサイトには無料のものから有料の教材まであり、ピンポイントでわからない部分は個人が書いているブログなども参考になるでしょう。
- Python-izm
初級から応用まで実務で使える内容がコードと実行結果を見ながら学べる - Al-interのPython3入門
ライブラリ別にスクレイピングのやり方を学べる - PyQ
Pythonに特化した学習プラットフォームで基本からスクレイピングやライブラリの使い方まで学べる - Udemy
基礎からAPI連携まで目的に合わせた動画教材が豊富に揃っている
Pythonの自動化の学習におすすめの書籍
Pythonの自動化について学習できる書籍をまとめました。
自動化と一口に言ってもWordやExcel、スクレイピング、メールなど幅広い分野があるため自分の目的にあった本を選びましょう。
- PythonでExcel、メール、Webを自動化する本
自動化について実践的に学べる - めんどうな作業が秒速で終わる! Excel×Python自動化の超基本
Excel操作を自動化したいならこの本 - シゴトがはかどる Python自動処理の教科書
Pythonの知識が浅い方でも基礎から実行方法まで幅広く学べる - 退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング
すぐに仕事で使えるアイデアが多数掲載。入門レベルから丁寧に学べる
まとめ
業務効率化ができる「Python」での自動化ツール作成について、どのようなことを自動化できるか、自動化ツール作成のために必要なスキルなどを紹介しました。
「Python」はデータ解析や自動化が得意なプログラミング言語で、自動化ツール作成の副業案件はクラウドソーシングなどで単価3〜20万円程度で募集があります。
人気の「Python」で、自分のルーティン業務の自動化したり、副業案件獲得ができるスキルを身につけてはいかがでしょうか。