
この記事の要点
- 「ら抜き言葉」は、現在の日本語の文法としては誤り
- 「ら抜き言葉」になる理由は、受身・可能・尊敬の表現を区別するために使われる
- 「ら抜き言葉」を見分ける方法は、動詞の活用形に着目する
ら抜き言葉とは、可能の意味の「られる」から「ら」を省略して使う表現を意味します。
たとえば、「食べられる」「来れる」という言葉から、「ら」を抜くことで「食べれる」「来れる」のような「ら抜き言葉」に変化します。
近年では、日常会話だけでなく、ビジネスシーンなどのあらゆる場面で「ら抜き言葉」を使用している方も多いでしょう。
ら抜き言葉とはどんな言葉なのか、ら抜き言葉は結局間違いなのか、この記事では「ら抜き言葉」について、 例と併せて解説していきます。「ら抜き言葉」の見分け方や、訂正方法についてもしっかりと理解できるようになるでしょう。
目次
ら抜き言葉は間違いでない?問題点とは
「ら抜き言葉」は、昭和初期頃から現れ、戦後さらに広がっていったと言われています。
しかし、地域や年齢によって利用率がさまざまであるため、若者を中心に使われる「若者言葉」だとされています。
そんな「ら抜き言葉」は今では日常会話の中でもよく使われていますが、日本語の文法としては正しいのでしょうか?
現時点では、ら抜き言葉は間違い
現在の日本語の文法では、「ら抜き言葉」は誤りとされています。
そのため、新聞やニュースなどの改まった場面で「ら抜き言葉」が使用されることはありません。
しかし、平成27年に文化庁が行った世論調査によれば、本来の正しい語よりも「ら抜き言葉」を使用する人の数の方が上回り、多数派になっています。
言葉は時代や流行に沿って変化するため、今以上に「ら抜き言葉」が当たり前のように使われる日が来るかもしれません。
ら抜き言葉の問題点
「ら抜き言葉」の問題点は、ビジネスのシーンや目上の方に話す際は適さないという点です。
「ら抜き言葉」をビジネスシーンで用いることで、正しく日本語が話せないという印象を与えるだけでなく、常識のない人と認識されてしまう可能性があります。
そのため、社内や取引先にビジネスメールを送る際は、正しい日本語を使えるようになる必要があるでしょう。
ら抜き言葉を用いても良い場合
「ら抜き言葉」は日本語の文法としては正しくないですが、使用しても良い場面がいくつかあります。どのような場面であれば、「ら抜き言葉」を用いることができるのか紹介していきます。
親しい間柄で使用する場合
家族や友人との会話での中で、「ら抜き言葉」を使用するのは問題ないでしょう。
「ら抜き言葉」を用いた方が、テンポよく会話することができるという意見もあります。
改まった場面や目上の人に話す際は、「ら抜き言葉」は適さないため、使用する場面に応じて使い分けが必要です。
方言として使用する場合
北海道や北陸から中部にかけての地方では、「ら抜き言葉」は方言として定着しています。
そのため、地域によって「ら抜き言葉」は当たり前の言葉として使われることもあります。
見分けをつけやすくする場合
「られる」という可能表現を使いたい時、文章によっては受身や尊敬の表現でも受け取れる場合があるでしょう。
その際は「ら抜き言葉」を使用することで、可能表現・受身表現・尊敬表現のどの表現を使いたいのかをはっきりさせることができます。
そのため、文章のみで情景などを伝える必要のある小説などでは、敢えて「ら抜き言葉」が使われます。
ら抜き言葉の例文
「ら抜き言葉」には、たとえば「食べれる」などの言葉があります。
本来の正しい語は「食べられる」であり、「ら」が抜けた形で使われます。
その他にもどのようなものがあるか、例をいくつか紹介していきます。
ら抜き言葉のよくある例文
ら抜き言葉になってしまう理由
本来「られる」をつけるべき言葉に「れる」を使ってしまう理由は、「られる」が持つ受身・可能・尊敬の意味を区別するためだと言われています。
そのため、たとえば「先生が来られる」という文章を可能表現で使用する際、「来られる」のらを抜くことで可能の意味を分かりやすくさせます。
ら抜き言葉の見分け方と訂正方法
「ら抜き言葉」は、可能の意味を表す動詞を未然形にして「ない」という形に言い換えると見分けることができます。
しかし、動詞の活用によって「れる」をつけるのか、「られる」をつけるのかが異なります。
五段活用動詞の場合は「れる」を、一段活用・カ行変格活用動詞の場合は「られる」をつけます。
五段活用の動詞には「れる」をつける
五段活用動詞の場合は、語幹に「れる」をつけます。
五段活用とは、「ない」と未然形に置き換えた場合に、「ない」の直前の語尾がア段の音になる動詞です。たとえば「聞く」という動詞を可能で表現する場合、未然形にすると「聞か(ka)ない」になるため、「聞く」に「れる」をつけるのが正しくなります。
上一段・下一段・カ行変格活用には「られる」をつける
上一段・下一段活用・カ行変格活用動詞の場合は、語幹に「られる」をつけます。
上一段活用とは、後ろに「ない」をつけて未然形にした時に、「ない」の直前がイ段の音になる言葉。下一段活用は、エ段の音になる言葉です。カ行変格活用動詞は「来る」だけです。
そこで「見る(上一段)」という動詞を可能表現する場合、「見る」の語幹「見」に「られる」をつけて「見られる」となります。
「寝る(下一段)」を可能にする場合は、語幹「寝」に「られる」をつけて「寝られる」に変化します。
まとめ
今回は「ら抜き言葉」に関して詳しく解説してきました。
近年、日常会話でよく使われる「ら抜き言葉」ですが、現在の日本語の文法上では誤りとされています。
そのため、ビジネスやライティングで使用する際は、「ら抜き言葉」を避ける必要があるでしょう。