この記事の要点
- R言語は統計・データ分析を得意とするプログラミング言語
- R言語は統計に特化しており、副業案件を見つけるのは難しい
- R言語の副業案件は、データ分析かAIシステム開発がメイン
データサイエンス領域やAI領域の発展で盛んに用いられている言語に「R言語」があります。専門性が高く、近年需要が高まっている言語なだけに、習得を考えている方もいるのではないでしょうか。
プログラミング言語を用いた副業が注目されている昨今、R言語を使った副業も多いと思われるかもしれませんが、実はR言語の副業案件を探すのは難しいというのが現状です。
ここでは、R言語の概要や得意分野に加え、副業案件の現状や必要なスキルについて解説していきます。
目次
R言語とはどんなプログラミング言語?
R言語とは、統計分野に特化したプログラミング言語です。
オープンソースのプログラミング言語のため無料で利用できるだけでなく、OSを限定せず幅広い環境で動かせます。
統計やデータ分析、グラフィック処理などを得意としており、データサイエンスの分野やAI、ディープラーニング分野で盛んに利用されています。
統計解析だけでなく、データの加工・操作や解析したデータのグラフ化、テキストマイニングなど、データの扱いに定評があります。
R言語とPythonの違いは?
R言語と同じく、統計やデータ解析、AI分野で利用されているプログラミング言語にPythonがあります。
言語 | 特徴 |
---|---|
R言語 | 可視化が得意 統計に特化 |
Python | 汎用性が高い 処理速度が速い |
R言語とPythonの違いとして、以下のような点が挙げられます。
Pythonは、汎用性の高さや処理速度を売りにしているプログラミング言語です。
そのため、Pythonは統計に限らず様々な場面や業界で利用されています。
対してR言語は統計処理に特化したプログラミング言語です。
統計を用いた研究の現場で主に利用されているR言語は、PythonのようにWebアプリ開発などの場面ではほとんど利用されません。
R言語は、処理速度や汎用性ではPythonに劣りますが、グラフィックを得意にしていることから、データの可視化に関してはPythonよりも優れています。
R言語の副業案件を探すのは難しい!
プログラミングを使った副業が盛んになっている昨今、R言語の副業案件を探している方もいるかと思います。
しかし、実はR言語の副業案件を探すのは意外と難しいのです。
例えば、クラウドソーシングサイトで「R」のキーワードで募集中の仕事を探した場合、「ランサーズ」での検索結果は「12件」、「クラウドワークス」では「0件」でした。
引用:ランサーズ システム開発・運用を今すぐ依頼・案件外注
引用:クラウドワークス R言語の仕事検索結果
(2022年12月現在)
また、フリーランスエージェントの大手「レバテックフリーランス」でも、「R言語」で募集中の案件は「2件」のみでした。
引用:レバテックフリーランス 絞り込み検索の求人・案件一覧
R言語は、副業案件の数が少ないプログラミング言語なのです。
ここでは、なぜR言語の副業案件が少ないのか、理由をご紹介します。
統計に特化しており汎用性が高くないため
R言語は統計に特化したプログラミング言語のため、汎用性が高くありません。
汎用性が高い言語に比べると活躍の幅がかなり限定されてしまい、その結果R言語での副業案件の募集が少なくなっているのです。
そもそもデータ分析・統計処理の副業案件が多くないため
R言語はデータ分析や統計処理を得意としていますが、そもそもプログラミング言語を使った副業としてそれらの業務の数は多くありません。
クラウドソーシングサービスで、「データ解析」「統計処理」といったキーワードを検索した場合は数件しか案件がヒットしないのに対し、「コーディング」や「アプリ開発」では数十件~数百件の案件がヒットします。
データ分析や統計処理の案件が少ない理由として、AIやデータサイエンス分野はIT業界の中でも比較的新しく、まだまだ企業での利用が少ないという理由が考えられます。
専門的なスキルを要するため案件単価は高めになるものの、数はまだまだ少ないというのが現状です。
R言語の副業の業務内容と報酬相場・求められるスキル
R言語の副業案件の業務内容と報酬相場・求められるスキルをご紹介します。
業務内容
データサイエンティスト
データサイエンティストとしての募集は、R言語の副業案件の主流です。
数理モデルの開発や広告効果を推定するための統計手法の開発といった業務で募集されています。
AI
AIもR言語が利用される分野の1つです。
AIマーケティングシステムなど、AIシステムの新規開発と言った業務で募集されています。
報酬相場
R言語の副業案件の報酬相場は、月額単価で換算するとおよそ60~90万円程度となります。
「レバテックフリーランス」のR言語案件の平均月額単価は78万円となっており、こちらは副業だけでなくフリーランス向け案件も含めたデータではありますが、高めに設定されています。
時給制の案件の場合およそ3000円/時程度がR言語の報酬相場です。
求められるスキル
データサイエンティストの募集条件としては、大学院修了、大学数学についての基礎的理解といった学力に加え、研究経験や統合開発環境の利用経験が挙げられます。
AIシステム開発の場合、上記に加えて開発経験などが必須条件として挙げられる他、上流工程やPM経験などが歓迎条件として提示されています。
R言語習得のためのおすすめの学習サイト2選
R言語をはじめ、プログラミング学習方法はスクールか独学かの2択です。
R言語を学べるプログラミングスクールはあまり多くありません。
独学にはコストがかからず、自分のペースで学習できるというメリットがあります
しかし、R言語は比較的習得難易度が高く、書籍等での独学はあまりおすすめできません。
そのため、R言語を習得するには、独学でプログラミング学習サイトを利用するのがおすすめです。
TechAcademy
TechAcademy [テックアカデミー]
TechAcademyは、選抜された現役エンジニアから学べるオンラインに特化したプログラミングスクールです。
Udemy
Udemyは、プログラミングをはじめ様々なスキルの学習ができる学習プラットフォームです。
Udemyでは世界中のプロフェッショナルによる動画教材が提供されており、R言語についても300以上の講座が利用できます。
統計やAIを学べるだけでなく、医療データの分析や広告配信データの分析など、業界に特化した講座があるのも魅力です。
ドットインストール
ドットインストールは、500近い動画レッスンを視聴できるプログラミング学習プラットフォームです。
R言語についての講座は多くはありませんが、起動の仕方から基礎的な文法事項までは簡単に学習できます。
動画教材のため分かりやすく、「とりあえずR言語の基礎をつかみたい」という方におすすめです。
まとめ
R言語は、統計処理やデータ分析に特化したプログラミング言語です。データサイエンス領域やAI開発で用いられており、近年需要が高まっています。
R言語を使った副業案件を見つけるのは難しいのが現状です。
R言語は汎用性が低く、統計に関する案件が少ないため、副業案件が少ないのです。R言語を習得するには、プログラミングの学習サイトを利用すると良いでしょう。基礎を「ドットインストール」で、応用を「Udemy」で学習するのがおすすめです。