この記事の要点
- トンマナとは「トーン&マナー」の略で、デザイン・文章表現を揃えて一貫性を持たせることである
- トンマナを設定すると、ブランディングの効果を促進できる
- ターゲットを想定し、商品やサービスのコンセプトを明確にしてから、その世界観を伝えるためにトンマナを設定する
マーケティングやブランディングで大切な要素である「トンマナ」。
Webサイト制作やライティングなど、コンテンツ制作に携わっていると耳にする機会がある言葉です。
この記事では、トンマナとは何か、どのようなメリットがあるかをお伝えします。
また、どうやって設定すればよいかも、デザインとライティングの2つの面で解説するので参考にしてみてください。
目次
トンマナとは
トンマナとは、「トーン&マナー」の略称で、デザインや文章表現に統一感や一貫性を持たせるルールのことです。
トーンは色調、マナーは方法や様式の意味になります。
トンマナを合わせることは、ユーザー側と企業側の双方にメリットがある手法です。
トンマナを設定すべき理由3つ
商品やサービスを利用するユーザー、制作・提供する企業にとって、トンマナを設定するとどのようなメリットがあるのかをご紹介します。
デザインや文章表現に統一感が出て、よりよいUXにつながる
広告やWebサイトなどのコンテンツでは、トンマナを設定することで、商品やサービスのコンセプトが伝わりやすくなります。
Webサイトのページごとで配色や文章表現が違うと読みづらくなり、UX(ユーザーエクスペリエンス)の低下にもつながるので注意が必要です。
企業や商品のブランディングに役立つ
配色や文章表現に一貫性を持たせることで、その企業や商品の世界観をユーザーに印象づけることができ、ブランディングを促進します。
コンテンツ制作側の作業がスムーズになる
複数のメンバーで制作に取り組む時、トンマナが設定されていると、効率的に作業をすすめられます。
デザインのイメージが容易になり、コンテンツの品質の向上や、制作のスピードアップにもつながるでしょう。
トンマナを設定する流れ
トンマナを設定するには、まずターゲットを設定し、コンセプトの明確化という流れで取り組みます。
ターゲットの設定
ユーザーのニーズを把握し、ターゲットを設定します。
ターゲットを設定することで、年齢層・配色・フォントのサイズ・文体などを具体的に決められます。
ペルソナも想定すると、より深堀りした検討ができるようになるでしょう。
コンセプトを明確化
商品やサービスを通して何をやりたいのか、何を伝えたいのかなどの目的やベネフィットを把握し、コンセプトを固めていきます。
コンセプトが明確になったら、それを伝える世界観をトンマナとして設定します。
トンマナ設定で決めておくべきこと
トンマナはどのように設定するのか、「デザイン」と「ライティング」について具体的に解説します。
デザインについて
ビジュアルに一貫性を持たせることは、ブランディングをするうえで非常に大切な要素です。
使用カラー
使用カラーは多くなり過ぎないよう、3色程度におさえるのがオススメです。
メインカラーを基準に、背景となるベースカラー、差し色として使用するアクセントカラーを決めます。
レイアウト
余白をどれくらいとるか、文章と画像の割合や位置関係、冒頭やまとめに入れる共通事項などを決め、レイアウトに統一感を持たせます。
書体・フォント
コンテンツの内容に合わせ、明朝体・ゴシック体などの書体を決めます。
書体が決まったら、具体的にフォント・文字の大きさ・行間・見出し・文字の装飾もルールを決めましょう。
画像やイラストなどの素材
イメージ画像やアイコン、イラストなども、雰囲気やクオリティ、入れる位置もルールを決めて統一します。
ライティングについて
文章表現に統一感を持たせるために、ライティングのルールを決めておきましょう。
文末の表現
文章全体に統一感を持たせるために、「です・ます調」「だ・である調」などの文末の表現を揃えましょう。
コンテンツの内容やターゲットに合わせて設定します。
文字数
1コンテンツの、「全体・タイトル・見出し・各見出しの本文」の文字数の目安を決めましょう。
1文の長さも読みやすさに影響を及ぼす大切な要素なので、60字程度でルールを設定するのがオススメです。
使用NGな語句
誇大表現・ネガティブな内容・差別用語など、なるべく避けるワードや、使用禁止のワードをあらかじめ決めておきましょう。
トンマナ設定を意識した広告例
ブランディングを促進するトンマナは、多くの企業がマーケティング施策として取り入れています。
代表的な企業の例をご紹介します。
ニトリ
イメージカラーであるエメラルドグリーンは、「安心感」と「落ち着き」を与える色です。
家具・インテリアを販売する企業のコンセプトに合っています。
スターバックス
グリーンがコーポレートカラーのスターバックスは、何度かブランドロゴの見直しをしています。
もともと大部分を占めていた茶色が変更の度に減り、現在ではグリーン一色となり、文字数も減っています。
時代や企業の拡大とともに、デザインをシンプル化することで、洗練されたイメージを押し出しています。
まとめ
ブランディングにおいて重要な役割を果たす要素、トンマナについてご紹介しました。
トンマナを設定していないと、イメージがバラバラでコンセプトが伝わらなく、制作側は後で大量の修正が発生するリスクもあります。
まずはターゲットの好みや目的を分析し、ユーザーにマッチしたトンマナを設定しましょう。