この記事の要点
- TypeScriptエンジニアの将来性が高い理由は、「Googleの開発言語として採用されているから」「人気のJavaScriptのスーパーセットだから」「TypeScriptエンジニアが不足しているから」
- TypeScriptエンジニアの年収は一般的なエンジニアより高い
- 他のエンジニアと差別化するためには、ReactやNext.jsなどの連携他システムを学習する必要がある
以前、TypeScriptの特徴やおすすめの学習方法について解説していました。
年収が高く、将来性も有望視されているTypeScriptエンジニアを志望する人は多いことでしょう。
この記事では、TypeScriptエンジニアの年収や将来性が高い理由について見ていきます。
これからTypeScriptの学習を始めようと考えている人は参考にしてくださいね。
目次
Typescriptとは
TypeScriptとは、Microsoftを中心に開発が進められているオープンソースのプログラミング言語です。
JavaScriptを拡張して設計されたスーパーセット(上位互換言語)であり、静的な型付け機能を搭載した、いわゆる「AltJS」と呼ばれています。
※AltJSとは・・・
コーディングは別の言語で行い、それをJavaScriptにコンパイルするという奇抜に思えた手法は成功を収め、このアプローチを採用する言語が数多く開発され、それらの言語は総称してAltJSと呼ばれるようになりました。
静的型付け言語であるTypeScriptを利用することによって、コンパイル時にエラーを検出できるほか、型によるコードの安全性の向上など数々のメリットがあります。
またTypeScriptは高いモジュール性能を備えており、JavaScriptでは実現できなかった大規模開発を可能としています。
Typescriptの将来性が期待されている理由
TypeScriptは非常に将来性が高いと言われているプログラミング言語です。
どうしてそのように高い評価を得られるのか、理由を見ていきましょう。
Googleが開発標準言語として利用している
世界的企業であるGoogleは、2017年ごろTypeScriptを開発標準言語として承認し、主導しているフレームワークAngularのコードもTypeScriptで実装されています。
この流れを受けて、もともとJavaScriptで作られていた多くのライブラリも次々とTypeScriptに書き直され、あるいは型情報が追加される形で公開されています。
JavaScriptからTypeScriptに乗り換える動き、あるいは初めからTypeScriptを利用したシステム構築が標準化しており、この流れは今後も継続すると見られているのです。
世界的に需要の高いJavaScriptのスーパーセットである
JavaScriptは世界中で稼働するWebアプリケーションのフロントエンドで利用されており、その利用量は膨大です。
Webブラウザが直接解釈して実行できるという唯一無二の特性を持っているからこそ、現在も爆発的な人気を誇っています。
一方で、進化を続けるWebアプリケーションのニーズに対して、JavaScriptは今なお未成熟かつ不完全なプログラミング言語であるとも言えます。
特に大規模なWebアプリケーションにおいて、型の概念を持たないJavaScriptには課題が多くありました。
それらJavaScriptに数多く存在する課題を解決する形で、スーパーセットとして誕生したのがTypeScriptなのです。
スーパーセットとは、TypeScriptにおいてJavaScriptのコードがそのまま動作するように設計されていることを意味します。
この親和性の高さから、JavaScriptをそれなりに使えれば、わずかな導入コストでTypeScriptを始められるというメリットにつながるのです。
TypeScriptエンジニアが不足している
近年よく見かけるようになった「フロントエンド」という言葉ですが、実はこの10年ほどの間にできた新しい分野です。
Webアプリケーションは年々増加しており、TypeScriptエンジニアを含めたフロントエンドエンジニアの需要は増す一方にもかかわらず、エンジニアの数は現段階で圧倒的に足りていません。
エンジニア職は技術職ですからスキルの習得には時間がかかり、母数を爆発的に増やすのは困難です。
そのため、TypeScriptエンジニアの需要は高いまま推移することが予想されているのです。
TypeScriptエンジニアはどれくらい稼げる?
将来性が高いとされるTypeScriptですが、収入面ではどうでしょうか。TypeScriptの平均年収を見ていきましょう。
種類 | 平均年収 |
---|---|
フリーランス | 855万円 |
会社員 | 569万円 |
会社員(エンジニア全体) | 469万円 |
一般的なエンジニアの年収に比べ、TypeScriptエンジニアの平均年収は高いことが分かります。
また、会社員よりもフリーランスエンジニアの方がさらに年収が約1.5倍高い傾向があります。
なお、フリーランスのTypeScriptエンジニアの最高年収は1,680万円、最低年収は360万円という調査結果になっています。
高収入を目指したい方向けに、フリーランスのエンジニアのおすすめのエージェントをご紹介していますので、こちらの記事を参考にしてください。
フリーランスのエンジニアとして高収入を目指せるおすすめのエージェントはどこ?
TypeScriptエンジニアとして活躍するには
これからTypeScriptエンジニアを目指す人が他のエンジニアと差別化し活躍できるために、今からすべきことをご紹介します。
人気のあるスキルを習得する
TypeScriptはそれ単体のみで利用されることはなく、いわゆるエコシステムと呼ばれる他システムと連携して使用するのが一般的です。
そのため、TypeScriptに加えてそれらエコシステムを利用できるようにしておくことをおすすめします。
ReactとNext.js
特に人気とされているものの1つが、React(リアクト)です。
Reactは2013年にFacebook社が公開したUIライブラリ。
一般的にコードの記述量が膨大で可読性の悪いWebアプリケーション開発の問題を回収し、効率的に開発できるためのコンポーネントや状態管理などの思想を取り込んでいます。
そしてNext.js(ネクスト・ジェイエス)は、Reactをベースとしたフルスタックフレームワークです。
Reactの機能はもちろん、煩雑になりすぎるフロントエンド開発環境を簡便化できる機能を数多く搭載しています。
Vue.jsとNuxt.js
Reactとともに人気を博しているのがVue.js(ヴュー・ジェイエス)です。
Reactと同じにJavaScriptライブラリで、小規模から大規模開発まで段階的に使えるプログレッシブフレームワークという設計思想を有しています。
2020年9月にTypeScriptで記述されたバージョン3がリリースされ、これまで相性が悪いとされていたTypeScriptとの連携が強化されました。
ReactのNext.jsに対応するものが、Nuxt.js(ナクスト・ジェイエス)です。
その名の通りNext.jsに強く影響を受けており、類似するさまざまな機能を持っています。
アジャイル開発、スクラム開発について理解を深める
従来システム開発はウォーターフォール型と呼ばれる方法で進められるのが一般的でした。
ウォーターフォール型とは、川上から川下に流れていく滝のごとく、開発工程を上流工程から下流工程に向けて順番に進めていく手法のことです。
開発が細分化する昨今、ウォーターフォール型で完成するのを待っていては、いつまでたってもリリースができません。
このスピード感に対応するべく推進されているのが、アジャイル型と呼ばれる開発手法です。
アジャイルとは、直訳すると「素早い」です。
開発工程を細分化し、設計・実装とテスト・リリースを素早く行うことで、開発にスピード感を取り入れたスタイルになります。
またスクラム開発はアジャイル開発の一種で、チームでコミュニケーションを取りながらタスク分散を行うスタイルです。
名前の由来はラグビーの「スクラム」から来ています。
開発手法は現場によってさまざまな事情を検討して決定されますが、どのスタイルで開発が行われている現場にも対応できるエンジニアは強いです。
とくに近年注目されているアジャイル開発やスクラム開発について理解し、対応できるように準備しておきましょう。
まとめ
TypeScriptの年収や将来性、学ぶべきことについてご紹介しました。
需要が今後も高まると予想されるTypeScriptは、スキルを身に付けることで多くの案件に対応できる強みとなります。
これからプログラミング学習を始めようと考えている人は、ぜひTypeScriptを学習してみてください。
TypeScriptと合わせてJavaScriptやReactなども学習しておくと、他のエンジニアと差別化されて案件を獲得しやすくなります。
また、TypeScriptの初心者でも簡単に作れるプログラムとして、「いいね!」ボタン・TODOリスト・電卓アプリの作り方をご紹介していますので参考にしてください。