この記事の要点
- Webエンジニアの仕事はWebを使ったシステムやアプリケーション、ソフトウェアの設計・開発・運用
- フリーランスのWebエンジニアの平均年収は500万円ほどと見られるが、スキル次第でより高報酬を目指せる
- 案件の種類によって単価は異なるが、50万円/月以上になる案件も多い
- 業務に必要なスキルは、最低限のものだけならそれほど難しくはない
Webで多くのサービスがリリースされる今、Webエンジニアは非常に需要が高い職種です。
フリーランスなら500万円以上も稼ぎやすいといわれるWebエンジニアですが、どのくらいのスキルが必要なのか気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、Webエンジニアの仕事内容やスキルレベル、年収などについて解説します。
目次
Webエンジニアの仕事内容
Webエンジニアの仕事は、ブラウザから操作可能なWebシステムやアプリケーション、ソフトウェアなどの設計・開発・運用です。
設計では、要件を定義し、ページ遷移、UI、プログラミング上必要になる変数や関数などを仕様書に落とし込む作業をします。
開発は、PHPやRuby、Python、Javaなどのプログラミング言語でコードを書き、正しく機能するかテストを行います。
運用は、機能の追加、データのバックアップやシステムの稼働状況の監視、トラブル対応などが主な業務です。
Webエンジニア(正社員)の平均年収
Webエンジニアの平均年収は、おおよそ次のようになります。
企業の大きさや必要スキル、開発か運用かなどの要素により実際の年収はさまざまです。
Webエンジニア正社員の平均年収 | 450万円 |
---|---|
フリーランスWebエンジニアの年収 | 500万円 |
Webエンジニアの案件単価 | 50~80万円 |
Webエンジニアに求められるスキルとスキルアップに役に立つサイトと資格
Webエンジニアとして活躍するためのスキルや、スキルの習得方法について解説します。
Webエンジニアに必要なスキル
Webエンジニアに必要なスキルと、業務で求められるスキルレベルは次のとおりです。
プログラミングスキル
Webサービスでよく利用されているPHPやRuby、JavaScript、PythonやJavaなどのうち、2~3の言語が使えるとよいでしょう。
また、現場では各言語用のライブラリやフレームワークが指定されることが多いため、これらの知識も必要です。
各言語を使って、簡単なアプリケーションが作れるレベルであれば、管理者がいる現場なら開発業務にも十分に対応可能です。
データベース操作
案件にもよりますが、データベースの設計は専門のエンジニアが行うことが多いため、Webエンジニアは基本的なデータベースの仕組みやSQL文が理解できていれば多くの現場では問題ありません。
データベースソフトはWeb系ではPostgreSQLやMySQL、SQLite、MongoDBあたりを押さえておくと多くの現場で活躍できます。
ネットワーク技術
運用を担当するWebエンジニアの場合、問題の切り分けのためにネットワークの知識が必要になることがあります。
しかし、高度な知識は必要なく、マニュアルをもとに障害時の問題の切り分けやネットワーク機器の状態監視などができれば大丈夫です。
サーバー技術
運用案件ではサーバーの状態監視やデータのバックアップなどが必要になることがあります。
また、AWSやMicrosoft Azureなどのクラウドサービスの知識が求められる現場も多いです。
その他
その他、セキュリティに関する知識や、システム開発、プロジェクト管理に関する知識があればシステム開発や管理の上流工程から携わることができ、収入も高くなります。
Webエンジニアのスキルアップにおすすめの学習サイト
Webエンジニアの必要スキルを身に着けるためのおすすめの学習サイト2つピックアップしました。
Progate
Progateはプログラミング初心者向けの学習サービスです。
Webエンジニア向けの学習ロードマップが整備されており、JavaScriptやPHP、Rubyに加え、いくつかのライブラリやフレームワークの操作を学習できます。
有料プラン(月額1078円)は、低価格で簡単なアプリ開発の基礎まで学ぶことができるのでおすすめです。
ドットインストール
ドットインストールはオンラインのプログラミング学習サービスです。
有料プラン(月額1078円)は、レッスンの中でJavaScriptやPHP、Rubyなどのプログラミング言語で実際にWebサービスやアプリを作るため、Webエンジニアの業務への理解も深まります。
UNIXやAWSなどのサーバー分野も学習できるので運用を目指す人にもおすすめです。
Webエンジニアのスキルアップにおすすめの資格
Webエンジニアのおすすめの資格についてみていきましょう。
Webエンジニアに関わらず、IT業界で仕事をする上で有利になる資格を難易度の簡単な順に2つ紹介します。
ITパスポート試験(IP)
ITパスポート試験(IP)は、ITに関する基礎的な知識を有していることを証明できる国家試験です。
iパス(アイパス)とも称されるこの試験は、Webエンジニアを目指していて「ITやWebの勉強したいけど、何からはじめたら良いのかわからない」という方におすすめです。
言い換えれば、Webエンジニアであれば知っていて当然の知識が詰まっているということです。
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/ip.html
基本情報技術者(FE)
初級のエンジニアの国家資格である基本情報技術者は、システム開発やサーバー、データベース、ネットワーク、セキュリティなどエンジニアに必要な知識の基礎が詰まっているため、学習しておいて損はありません。
分野が広いので学習は大変ですが、その後のキャリアの土台になり、開発・運用のどちらに進んでも学んだ知識が役立ちます。
書籍のテキストや学習用のWebサイトも多いので活用して学習するとよいでしょう。
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/fe.html
Webエンジニアの副業の種類と案件相場
Webエンジニアを副業にしたい場合、気になるのが案件の種類や相場です。
実際にどのような案件があるのか見てみましょう。
Webプログラミングの講師
PHPは、Webエンジニアの需要が高いため、エンジニアを育成するためのスクール講師としての需要もあります。
求められるスキル
オンラインで初心者に向けた指導が主になるため、開発ができるレベルのプログラミング技術が最低ラインで、開発経験者は優遇されます。
PHPで開発されているWordPressや各言語のフレームワーク、Scratch(スクラッチ)による子供向けの講師など、スキルごとに講義が分かれているため、得意分野を持つと有利になります。
Webプログラミング講師の相場と難易度
副業の難易度としては、低~中で、相場はスクールのレベルや言語の種類、経験によって個人差がありますが時給で時給1500~4000円程度になります。
Webサービス・アプリの運用メンバー
Webエンジニアでは、開発だけではなく既存のWebサービスの運用の需要もあります。
求められるスキル
案件ごとにサーバー(Windows、Linuxなど)やネットワーク、クラウドの種類(AWS、Azure、GCP)、プログラミング言語やフレームワークなどが指定されます。
運用ではマニュアルに沿って進めるため、それぞれの技術に経験・知識があれば大丈夫です。
マニュアルの作成や更新が業務に含まれることもあるため、オフィスソフトにも慣れていると尚可。
Webサービス・アプリの運用メンバーの相場と難易度
副業の難易度としては、中で、相場は案件によりますが、フルタイムの月給換算で30~80万円程度になります。
Webサービス・アプリの開発委託案件
Webサービスの開発委託案件は多く見られ、技術のあるWebエンジニアにとっては効率のよい働き方ができます。
求められるスキル
PHPなどのプログラミング言語とデータベースが必須で、加えてReactなどのフレームワークが指定されることが多いです。
開発を委託される場合、仕様についての要望があるだけで、自らシステム設計の大部分を行うことになるため、ヒアリングをして自分のスキルで実現可能かをよく考える必要があります。
Webサービス・アプリの運用メンバーの相場と難易度
副業の難易度としては、中~高で、相場は案件によりますが、フルタイムの月給換算で50~100万円程度を期待できます。
完成品を納品できれば報酬がもらえるため、技術に優れ、作業の速い人ほど稼ぐことが可能です。
Webサービス・アプリの開発メンバー:30~100万円/月、難易度:中~高
Webサービスを開発する企業の募集に応募し、一定期間、開発メンバーとして案件に参画する働き方もあります。
求められるスキル
専門家の監督の下で、仕様書に沿って開発を行うことが多く設計の知識はそれほど必要ありませんが、作業スピードと質への要求レベルは高めです。
募集段階でプログラミング言語やフレームワーク、求めるレベルが指定されていることが多いです。
Webサービス・アプリの運用メンバーの相場と難易度
副業の難易度としては、中~高で、相場は案件によりますが、フルタイムの月給換算で30~100万円程度を期待できます。
開発の上流行程に関わったり、チームリーダーを担うことがができるとより高報酬です。
フリーランスのWebエンジニアが仕事を獲得する3つの方法
フリーランスのWebエンジニアはどのようにして仕事を受注しているのでしょうか。
主な方法は次のとおりです。
自分のツテから仕事を受注する
以前の勤め先や顧客、知人など、個人的なコネクションから仕事を受注します。
自作のWebアプリやWebサービスを開発して紹介するとスキルもわかりやすいです。
ハッカソンイベントでスキルアップしつつ開発系のエンジニアに人脈を作っておくと、引き抜きや案件紹介につながることもあります。
クラウドソーシングから仕事を受注する
現在、もっとも一般的な受注方法で、初心者でも案件の受注が比較的容易です。
発注側にWebやシステムの知識が不足しているケースも多いため、案件の見極めや条件交渉などに注意が必要です。
Webエンジニアの場合、プロフィールで対応可能な言語やフレームワークを明確にすることで受注につながります。
主なクラウドソーシングサービス
- ランサーズ(案件数が多く、初心者向き)
- クラウドワークス(やさしめの委託開発案件が多い)
- クラウドテック(クラウドワークスより高難度・高報酬の案件が多い)
- ココナラ(相談を受けるだけでも案件になる)※ココナラでサービスをさがす
- Bizseek(やさしめの委託開発業務が多い)
マッチングサービスから仕事を受注する
フリーランスや副業のエンジニア向けのマッチングサービスは高報酬で案件を受注できるため、ここで受注できればプロフェッショナルといえます。
Webエンジニアの場合、過去の実績や保有するスキル、資格、経験などを登録しておくことで受注もしやすく、ミスマッチも少なくなります。
他サービスと比べて、大規模なWebサービスの開発案件も多く、長期契約にもつながりやすいです。
上流での仕様設計やプロジェクトリーダーができるWebエンジニアは、高い報酬を期待できます。
主なマッチングサービス
- レバテックフリーランス(案件数も多く、高報酬)
- i-common tech(専門スタッフがマッチングするのでミスマッチが少ない)
- クラウドテック(リモートOKな案件が多い)
- ギークスジョブ(開発系の案件が多い)
フリーランスエンジニア向けのエージェントサービスのおすすめを知りたい方はこちらの記事も参考になります。
フリーランスのエンジニアとして高収入を目指せるおすすめのエージェントはどこ?
まとめ
Webエンジニアは今後も堅調な需要が予想され、スキル次第で高収入も期待できます。
PHPやRuby、データベースなどスキルの幅は広いですが、業務のための最低限のスキルに限れば難易度はそれほど高くありません。
基本を習得し、現場にどんどん出て実績を積む中で高報酬の案件にも対応できるスキルが身に付きますので、まずは積極的にチャレンジしてみましょう。