
この記事の要点
- Zoomトラブルの大半はアプリ更新・デバイス権限・ネットワークの事前確認で防げる
- 音声・映像・画面共有・録画の問題ごとに原因と対処法をまとめて解説
- Web制作・AI導入プロジェクトの会議で押さえたいセキュリティ設定もカバー
Zoomトラブルとは、Web会議中に音声が聞こえない・映像が映らない・画面共有できないなど、ミーティングの進行を止めてしまう不具合の総称です。
Web制作やAI導入プロジェクトの打ち合わせでは、デザインレビューやAIツールのデモなど画面共有を多用します。会議が止まればプロジェクトの進行にも響くので、よくある原因と対処法を知っておくと安心です。
以下、「音声」「映像」「画面共有」「録画」「セキュリティ」の5分野に分けて原因と対処法を整理しました。
目次
Zoomトラブルを防ぐ3つの事前確認
Zoomのトラブルは、会議前に3つのポイントを押さえるだけでかなり減ります。原因の多くはアプリのバージョン・ネットワーク環境・デバイスの権限設定のどれかです。
Zoom Workplaceアプリを最新版にする
アプリのバージョンが古いと、音声や映像の不具合が起きやすくなります。Zoomは2024年にデスクトップアプリを「Zoom Workplace」へリブランドし、AI Companion機能を加えた大きなアップデートを行いました(Zoom公式、2024年)。
ミーティング前に確認しておきましょう。
- PC:Zoom Workplaceアプリを起動し、プロフィールアイコンから「アップデートを確認」を選択
- スマートフォン:App Store(iPhone)またはGoogle Play(Android)でZoom Workplaceアプリを更新
- ブラウザから参加する場合:Chrome 102以上・Edge 102以上・Firefox 105以上・Safari 16.4以上が必要(Zoom公式サポート、2025年時点)。Internet Explorerは非対応
なお、2025年12月末をもってWindows 32ビット版のサポートは終了しています(Zoom公式、2025年12月)。古いPCを使っている場合は注意してください。
Zoom公式:https://explore.zoom.us/ja/products/meetings/
ネットワーク環境を確認する
映像や音声の途切れは、ネットワークが原因のことが多いです。Zoomの公式サイトでは、推奨する帯域幅が「帯域幅の要件」として公開されています(Zoom公式サポート、2025年時点)。
安定した会議に必要な通信速度の目安は次のとおりです。
| 利用形態 | 推奨帯域幅(上り/下り) |
|---|---|
| 1対1ビデオ通話(HD) | 1.2 Mbps / 1.2 Mbps |
| グループ会議(HD) | 1.5〜3.0 Mbps / 1.5〜3.0 Mbps |
| 画面共有のみ | 50〜150 kbps |
Wi-Fi接続の場合、壁や棚などの障害物で電波が不安定になることがあります。ルーターの設置場所を見直すか、可能なら有線LANを使いましょう。デザインカンプのような細かい画面を共有するなら、安定した回線のほうがストレスなく進みます。
デバイスの権限設定を確認する
Zoomにカメラやマイクへのアクセスを許可していないと、映像が映らない・音声が届かないといったトラブルが起きます。初回インストール時に「許可しない」を選んでしまうと以降ずっと使えない状態が続くため、会議前にOSの設定画面で確認しておくのが確実です。
- Windows:「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「カメラ」「マイク」でZoomへのアクセスを許可
- Mac:「システム設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「カメラ」「マイク」でZoomにチェックを入れる
- スマートフォン:アプリの権限設定でZoomにカメラ・マイクのアクセスを許可


音声・マイクのトラブルと対処法
Web会議で最も多いのが音声まわりのトラブルです。Web制作の打ち合わせでは仕様確認や修正指示を口頭で伝える場面が多く、音声が通じないと作業の手戻りに直結します。
相手の声が聞こえない
相手の声が聞こえない場合、まず確認するのはオーディオへの参加状態です。Zoom画面左下のアイコンがヘッドフォンの形をしていたら、まだオーディオに参加していません。クリックしてマイクアイコンに切り替えましょう。

ヘッドフォンアイコンをクリックしてマイクアイコンに変われば、オーディオへの参加は完了。相手の音声が聞こえてくるはずです。
参加しているのに聞こえないときは、次の点を確認してください。
- Zoomのスピーカー設定:「設定」→「オーディオ」で正しい出力デバイスが選ばれているか
- PCやスマートフォンの音量:OS側でスピーカーがミュートになっていないか、音量が極端に小さくないか
- 相手側のマイク設定:相手がミュートのままになっている可能性もある
音声が途切れたり小さくなったりする場合は、Zoomのノイズ抑制設定を見直してみてください。「設定」→「オーディオ」→「背景雑音の抑制」を「低」に切り替えると、ノイズ除去が弱まる代わりに音声の途切れが改善されることがあります。

自分の声が相手に届かない
自分の声が相手に届いていない場合、まずオーディオに参加済みであること、ミュートが解除されていることを確認します。
それでも届かないなら、マイクへのアクセス権限が原因の可能性が高いです。
初回起動時に「許可しない」を選んでしまうと、Zoomがマイクを認識できません。前述の「デバイスの権限設定を確認する」の手順で直してください。
また、Zoom以外に音声を使うアプリ(別のWeb会議ツール、音声認識ソフトなど)がバックグラウンドで動いていると干渉する場合があります。不要なアプリは終了しておきましょう。
エコー・ハウリングが発生する
エコーとは、自分の声が相手のスピーカーから出て、相手のマイクに拾われ、時間差で返ってくる現象です。ハウリングは音がループして増幅され、「キーン」という高音が鳴る現象を指します。
Web制作の打ち合わせでは、同じ会議室で複数人が個別の端末から参加するケースで特に起こりやすくなります。
対処法をまとめます。
- 発言者以外はマイクをミュートにする:最も確実だが、自由な議論がしにくくなる
- スピーカーの音量を下げる:エコーは音量が大きいほど起こりやすい
- イヤホンやヘッドセットを使う:スピーカーの音がマイクに回り込まなくなる
- スピーカーとマイクの距離を離す:一体型でない外付けデバイスの場合に有効
- エコーキャンセル機能付きのスピーカーフォンを導入する:会議室での利用に向いている
Zoom Workplaceにはノイズ抑制とエコーキャンセルが標準搭載されていますが、会議室の環境次第では物理的な対策も必要になります。同じ部屋で複数端末を使っているなら、マイクを一つずつミュートして原因を特定するのが近道です。
映像・カメラのトラブルと対処法
クライアントとの打ち合わせやチームの定例会議など、カメラをオンにする場面では映像トラブルが問題になります。
カメラ映像が映らない
カメラが映らない場合は、次の順序でチェックします。
- ビデオが開始されているか確認する:画面下部のビデオアイコンに斜線が入っていれば停止中。クリックして開始する
- カメラへのアクセス権限を確認する:マイクと同じく、OSの設定でZoomにカメラ使用を許可する
- 他のアプリとの競合を確認する:別のWeb会議ツールやカメラアプリが起動中だとZoomがカメラを使えないことがある
- カメラの物理的な接続を確認する:外付けWebカメラならUSBケーブルの挿し直しを試す。ノートPCの内蔵カメラにプライバシーカバーがかかっていないかも確認する



そもそもPCにカメラが内蔵されていないケースもあります。外付けのWebカメラを用意して接続してください。
バーチャル背景が正常に動作しない
バーチャル背景とは、自分の実際の背景を任意の画像に差し替えるZoomの機能です。自宅からの参加時やオフィス環境を見せたくない場面で使われます。
うまく動かない原因として多いのは次の3つです。
- PCのスペック不足:背景処理にはCPUやGPUへの負荷がかかるため、古い端末では正常に機能しないことがある
- グリーンスクリーンがない:低スペックのPCでは、グリーンスクリーン(緑色の布など)を背後に設置しないと背景の切り抜き精度が落ちる
- 管理者が機能を無効にしている:Zoom管理者の設定でバーチャル背景が無効にされている場合がある。「設定」→「背景とエフェクト」で確認する
画面共有のトラブルと対処法
Web制作やAI導入のプロジェクトでは、デザインの確認やコードレビュー、AIツールのデモなど画面共有の出番が多いです。ここがうまくいかないと会議が止まります。
画面共有ができない
ホスト以外の参加者が画面共有できない場合は、ホスト側の権限設定が原因です。
ホストがミーティング画面下部の「セキュリティ」アイコンをクリックし、「参加者に次を許可」の中にある「画面の共有」にチェックを入れれば解決します。

なお、デザインレビューなど機密性のあるデータを扱う場面では、「画面全体」ではなく特定のウィンドウだけを共有するのがおすすめです。メール通知やチャットなど、見せる必要のない情報が相手に表示されるリスクを避けられます。
画面共有で音声が出ない
画面共有中に動画やプレゼンテーションの音声が相手に届かない場合は、共有を開始するときに「サウンドを共有」にチェックを入れていないことが原因です。
一度画面共有を停止し、再度共有する際に「サウンドを共有」にチェックを入れて開始してください。

この設定を有効にすると、PC上で再生されるすべての音声が相手に聞こえるようになります。通知音なども共有されてしまうので、画面共有の前にOSの通知をオフにしておくとよいでしょう。
録画のトラブルと対処法
Zoomの録画機能とは、ミーティングの映像・音声を記録する機能のことです。ローカル録画(自分のPCに保存)とクラウド録画(Zoomのサーバーに保存)の2種類があります。議事録代わりやプロジェクトの振り返りに、Web制作の現場でもよく使われています。
録画ができない・保存されない
録画ボタンを押しても始まらないときは、次のいずれかが原因です。
- ホストが録画を許可していない:ホスト以外の参加者が録画するには、ホストから許可を得る必要がある。ホストは「参加者」パネルで対象者を右クリックし「レコーディングの許可」を選択する
- 無料プランでのクラウド録画:クラウド録画は有料プラン(Pro以上)の機能。無料プランではローカル録画のみ利用できる
- ストレージ容量の不足:ローカル録画にはPCの空き容量が必要。クラウド録画にもプランごとの上限がある
- 録画ファイルの変換失敗:ローカル録画はミーティング終了後にMP4形式へ変換される。変換中にPCをシャットダウンすると録画ファイルが破損することがある
AI Companionの活用と注意点
AI Companionとは、Zoom Workplaceに搭載されたAIアシスタント機能です。有料プラン(Pro・Business・Enterprise)のユーザーは追加費用なしで利用できます(Zoom公式、2025年時点)。2025年9月にはAI Companion 3.0がリリースされ、議事録やタスク管理の自動化がさらに強化されました。
Web制作やAI導入の会議で使える主な機能をまとめます。
- ミーティング要約:会議終了後にAIが要点を自動でまとめ、参加者に共有する
- スマートレコーディング:クラウド録画の内容をAIがチャプター分けし、重要箇所にハイライトをつける
- リアルタイム文字起こし:会議中の発言をリアルタイムでテキスト化する
ただし注意点もあります。
- ホストが会議前にZoomの設定画面でAI Companionを有効にしておく必要がある
- AIによる要約の利用は参加者全員に通知される。クライアントとの会議では事前に了承を得ておくこと
- 日本語の文字起こし精度は英語と比べるとまだ差がある。議事録として使う場合は内容の確認・修正が必要
セキュリティ上のトラブルと対策
Web制作やAI導入プロジェクトの会議では、クライアントの未公開サイトや業務データを画面共有する場面があります。不正参加や情報漏洩を防ぐために、セキュリティ設定を事前に整えておきましょう。
不正参加を防ぐ基本設定
「Zoom爆弾」とは、第三者がミーティングに無断で参加して不適切な行為を行う問題です。以下の設定で防止できます。
| 設定項目 | 内容 | 推奨 |
|---|---|---|
| パスコード | 会議参加時にパスコード入力を必須にする | 常にオン |
| 待機室 | 参加者をホストが個別に承認してから入室させる | クライアント会議ではオン |
| ミーティングのロック | 全員が揃った後に新規参加をブロックする | 必要に応じて使用 |
| 認証されたユーザーのみ | Zoomアカウントにログイン済みのユーザーだけ参加可能にする | 社内会議で有効 |
パスコードや待機室は、ミーティング作成時かZoomの管理画面で事前に設定できます。パスコードは招待URLに埋め込まれることもありますが、そうでなければ参加者に別途伝える必要があります。
機密性の高い会議での推奨設定
クライアントのNDA対象データや未公開のプロジェクト情報を扱う会議では、以下も検討しましょう。
- 画面共有は「ホストのみ」に設定し、必要な参加者にだけ個別に許可する
- チャットでのファイル送信を無効にする(誤送信の防止)
- 録画を制限する:参加者のローカル録画を禁止し、必要ならクラウド録画をホストが管理する
- エンドツーエンド暗号化(E2EE)を有効にする:通信がZoomのサーバー上でも暗号化される(ただしクラウド録画やAI Companionなど一部機能が使えなくなる)
トラブル発生時の切り分けチェックリスト
会議中にトラブルが起きたら、この手順で原因を絞り込みます。
| ステップ | チェック内容 |
|---|---|
| 1. Zoom側の障害か確認 | Zoomのサービスステータスページ(status.zoom.us)でリアルタイムの稼働状況を確認する |
| 2. ネットワークを確認 | ブラウザで適当なサイトを開き、インターネット接続自体に問題がないか確認する |
| 3. Zoomアプリを再起動 | アプリを一度終了してから再起動する |
| 4. デバイス設定を確認 | OS側のカメラ・マイク・スピーカーの権限と設定を確認する |
| 5. 他のアプリを終了 | カメラやマイクを使う別のアプリが起動していないか確認する |
| 6. 端末を再起動 | ここまでで解決しない場合はPCやスマートフォン自体を再起動する |
よくある質問(FAQ)
Q. Zoomの無料プランと有料プランで、トラブル対処法に違いは?
音声・映像・画面共有の基本的なトラブル対処法は無料・有料で違いはありません。ただし、クラウド録画やAI Companionによる自動要約は有料プラン(Pro以上)の機能です。無料プランではローカル録画のみ利用できます。
Q. 「ネットワークが不安定です」と表示された場合はどうすればよい?
まずカメラをオフにして通信量を減らしてみてください。Wi-Fi接続ならルーターに近づくか有線LANに切り替えるのが効果的です。それでも改善しない場合、スマートフォンのモバイル回線で参加する方法もあります。
Q. 画面共有でFigmaなどのデザインツールがカクつく
Zoom経由の画面共有は解像度やフレームレートに限界があります。デザインの細部(色味やピクセル単位の確認など)はZoomの画面共有では正確に伝わりにくいため、Figmaの共有URLを参加者に送って各自のブラウザで直接閲覧してもらうほうが確実です。
Q. AI Companionの会議要約を使うには何が必要?
有料プラン(Pro以上)のアカウントで、Zoomの「設定」→「AI Companion」からミーティング要約を有効にします。会議中にツールバーの「AI Companion」ボタンから要約の開始を選択できます。参加者にはAI機能が使用されていることが自動で通知されます。
Q. 参加者の一人だけトラブルが起きている場合、ホスト側でできることは?
ホスト側で直接解決できるケースは限られます。該当の参加者に一度退出して再入室してもらうのが手早い対処法です。それでも解決しない場合は、参加者側のデバイス設定やネットワーク環境を確認してもらう必要があります。
まとめ
Zoomのトラブルは、アプリ更新・ネットワーク確認・権限設定の3点を押さえれば大部分は防げます。音声・映像・画面共有・録画、いずれも原因ははっきりしており、この記事の手順で対処できます。
Web制作やAI導入のプロジェクトでは画面共有や録画の出番が多いぶん、セキュリティ設定やAI Companionの扱いも知っておきたいところです。トラブルが起きたら、切り分けチェックリストとあわせて参照してみてください。