アジアのIT業界が熱い。 アジアモバイルサミット イン シンガポール
この記事は、シンクブログに掲載されていた内容を一部修正して掲載されています。
2011年10月の内容のため、一部古い箇所がございますが、ご了承くださいませ。
2011年10月14日、ガプスモバイル主催のAsia Mobile Summit in Singaporeに参加してきました。
日本国内のITサービス市場が10兆円を切る中、アジア太平洋地域では多くの国が二ケタ成長を続けています。
アジアのIT業界が熱いということは前々から聞いていたのですが、実際に行ってみないということで、運営元の手伝いも兼ねて参加してきました。
※つたない英語力のため、多少の不備については、ご了承ください…。
会場はなんと、ソフトバンクのSMAPのCMで有名なマリーナベイサンズ。
屋上のプールで有名な建物は、ホテルになっています。
サミットの会場はこっち。もちろんキレイな建物でした。
彼がガプスモバイルの西村社長。
当日の朝についたので、私のホテルに荷物を置いてから一緒に会場入り。
ここが会場です。いい感じです。
運営メンバーでの打合せ。
派手な赤いドレスの女性が、今回のイベントを仕切るガプスモバイルの大畠さん。
スピーカーの方は別途、進行等について、打ち合わせ中。
ディバータの加藤さんと、翻訳や司会進行をおこなっていただく梅澤さん。
結構、人が集まってきました。
いよいよスタート。まずはガプスモバイルアジア統括の大畠さんのあいさつから。
最初のスピーカーはサイバーエージェント・ベンチャーズ 鈴木隆宏さん
海外向けの投資について、投資先は主にアーリーステージの企業にハンズオン型でおこなっていくとのこと。
確かに日本流の高いアープ(ARPU:1契約当たりの収入)のサービスを実現できれば、アジアでも強力なビジネス基盤ができそうです。
次は、GREE の APAC 事業開発リーダー 小林慎和さん
海外パートナーとの連携を中心に、GREEの高い成長を支えるモデルを展開するということでした。
保有する膨大なユーザーのデータをもとに、サービスを短期間にブラッシュアップし地域ごとのニーズにこたえていく。グリーが得意とする体制で進んでいくそうです。
プレゼン中にあった
”Not every month, not everyday, not every hour,
But every minute PDCA”
はまさに飛ぶ鳥を落とす勢いのGREEらしさがでていました。
Mobile Monday IndonesiaのファウンダーAndy Zainさん
インドネシアにおけるICTマーケットの成功事例等を紹介。
意外に知られていないのですが、インドネシアの人口は2億人以上で、スマホなども普及しており、中国、インドの次に来るぐらいのかなり大きな市場ということ。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20110829/367842/
Elasitas Technology Limited Founder & CEO Calvin Kizanaさん
Elasitas Technologyはインドネシアのモバイルアプリケーションやゲーム開発を行う企業。
複数あるソーシャルネットワーク上の特性を生かしたアプリの企画や事例などを紹介してもらいました。
このあたりで、英語力のない私は、かなりの疲労が。。。
InMobi Singapの Shobhit Shuklaさん
インモビは、2007年にインドでモバイル向けの広告配信事業をスタートした企業で、1か月ほど前ソフトバンクがインモビに1億ドル(約77億円)を出資したという発表があって話題になりました。(2012年4月さらに+1億ドルの予定)
3億4000 万ユーザーを抱え、165 カ国で展開しているので、世界中のアクセスデータが集まってくるそうです。そのデータ量、圧巻です。
MCN Asia Holdings CEO Marc Bookmanさん
MCNグループは、独自の検索エンジンソリューションを持っていて、タイの3大モバイル通信事業者すべてと提携しているなど、ASEAN地域での幅広い実績を持つ企業。
2006年に東京事務所をオープンして、今年8月にはオプトからの出資を受けています。
タイは、インドネシアに比べるとモバイルでのWeb利用が少ない気がしましたが、3Gなどのインフラ環境も整ってきて携帯事業各社もスマートフォンなどのプロモーションを積極的に行っています。
そのため、今後はWeb広告についても積極的に投資がされていくようです。
ディバータ 代表取締役社長 加藤健太さん
ディバータは、高機能CMS『RCMS』の開発、販売を行っている企業。
高い技術力でサン・マイクロシステムズ株式会社・株式会社リクルート主催のMashup Awards 4でも賞をもらっています。
http://ma4.mashupaward.jp/entry_list/?posted=42
今までは、アジアのICTマーケットの展望やそれを取り巻く市場についての内容でしたが、ここでは、世界展開やデバイスの多様化に対応するコンテンツ構築をどう効率的に進めていくのかという話。
デバイスの多様化対応でも必死なのに、多言語化や様々なWebプラットフォームへの対応が必要になってくると、効率的に行う仕組みを持たないと大変だと思いました。
DeNA アジアパシフィックホールディングス社長 森 徹也さん
9月にシンガポールに拠点を作ったばかりのDeNA。
スマートフォンを中軸としたソーシャルサービスを日本での実績を活かして、すでに世界展開中で、アジアも今後、ガンガン行きますよという表明のような感じでした。
DeNAさんは、提携よりも、自社重視でどんどん拡充していくつもりのようです。
DeNA アジアパシフィックホールディングスについてはこちらを参考に。
東南アジアのハブにシンガポールを選んだディー・エヌ・エー、その理由と戦略
出席された日本企業で企業紹介をしたい企業にマイクを回して、即興の30秒プレゼン。
15社ぐらいだったのですが、大手商社からシステム会社、広告代理店まで多種多様でした。
最後に、ガプスモバイルの代表取締役西村さんが締めのあいさつ。
ここで、サミット自体は終了。
サミット後は、2階のオープンテラスにある、HY Californiaで懇親会です。
HY California
かなり盛り上がっていたため、店のスタッフにお願いして時間を延長してもらいました。
一応、オフィシャルなプログラムはここまでということでみんなで記念撮影
さらに、参加できる方はということで、スカイラウンジのKU DE TAへ
http://www.kudeta.com.sg/
あの有名なプールが目の前です。宿泊していないと中に入れてもらえないので、近くで写真だけ。
次の日が朝のフライトのため、朝5時に起きのため、23時過ぎに帰ろうとタクシー乗り場へ。
金曜日の夜で長蛇の列に待っていたら、西村さんに会ったのでそのまま屋台に食事にいきました。
あっというまでしたが、サミットと懇親会に参加してみて、個人的に感じたことをまとめてみました。
目次
圧倒的なスピード感。それを支えるのはITならではのPDCAの考え方
日本はスマホなどではおくれをとっているといわれているものの、内需が非常に高く、独自のカルチャーでのビジネスがスケールするのが特徴です。
しかし、そこまで経済規模が多くない国では、すでに世界の中のアジアという単位で事業開発が進められているため、英語などの言語を含めたグローバル対応というのが当たり前。
そのため、アジアの経済力が強くなった、つまり、地の利が出てきたこのタイミングをチャンスと考えている企業のスピード感は、半端ないです。
モノが動かなくても大きなビジネス展開ができるITでは、グローバルといえども、プロトタイプのリリースから改善のスピードを落とすことなくPDCAを回すことができるのでしょう。
支局ではなく、全体最適という考え方
日本のサービスをアジアに提供するという一方向の形ではなく、アジアの各国の特長を活用して、日本を介さない現地間ネットワークのようなものができている企業が比較的うまくいっている気がしました。
グローバル化によって選択肢が無数に増える中、無理に日本を介在させるのではなく、自国を含めた適材適所で考える必要がありそうです。
色がすくないシンガポールがアジア進出の拠点に最適
いろいろな方の話や事例を聞くと、国自体に色が少ないことが文化的にも地理的にも、他のアジア諸国に進出する拠点として最適なのかなと感じました。
ただ、家賃が高いのと、シンガポール自体の内需だけではサービスのスケールが難しいのが難点のようです。
税金関係は安すぎて、日本にいると悲しくなります…。
中小企業・小規模企業にはまだ猶予がある
まだまだ、日本という国の経済力は高く、内需だけでも非常に大きく、
インドネシアでサービス展開する、開発拠点をベトナムに置く、資金をシンガポールで集めるといったことをいますぐしないと生き残れないというわけではないと思います。
しかし、圧倒的に優秀な人材を圧倒的に安いコストで活用して、大きなポテンシャルをもつアジア市場でビジネスをしている企業と、日本という単位でのみビジネスをしている企業では長い期間で見ると、その差は歴然です。
いろいろと実り多いシンガポール出張でした。
スピーカー、参加者、そして事務局、現地の方々、本当にお疲れ様でした。