この記事の要点
- C言語ならメモリが少ないハードでもゲーム開発は可能
- まずはコマンドプロンプト上で動く簡単なゲームを作成してみるのがおすすめ
- 本格的なゲーム作成のためには、DXライブラリを使う
C言語はできることが多く、本格的なゲーム開発をすることも可能です。
以前、C言語でできることや利用される業務など、基本を解説していました。
当記事では、初心者向けにC言語でゲーム制作をするための具体的なステップや、便利なライブラリについて解説します。
今後ゲーム開発をしていきたい方や、よりC言語を詳しく学習したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
C言語とは
C言語は、1970年代に開発された、かなり歴史の長いプログラミング言語です。
非常に知名度が高く、C++やJavaなど、C言語の仕様を基に開発されたプログラミング言語もあります。
ざっくり言うと、最近の言語のような便利機能がないかわりに、細かいところまで制御できる言語、というイメージです。
C言語の特徴
自由度が高い
C言語は、かなりハードウェア寄りの制御が可能です。
そのため、他の言語と比較してさまざまなことができます。
例えばメモリ管理について、他の言語では実行環境が勝手にやってくれますが、C言語では直接管理できるため、ぎりぎりまで最適化できます。
つまり、C言語ならメモリが限られた環境でもプログラムを動作させられます。
コードが複雑化しやすい
モダンな言語では、コーディングを簡潔にする仕組みが整っています。
C言語にはそれが少ないため、他の言語では書かなくてよい、複雑な処理の記述が必要になります。
また、できることが多い反面、注意しないとスパゲッティコードと呼ばれる、読みづらいコードになってしまいます。
C言語でできること
C言語は、メモリが限られた環境でも使えるため、ロボットや家電といった、いわゆる「組み込み系」で使われることが多いです。
また、ハードウェアレベルの制御ができるため、OSの開発にも使われています。
C言語でゲームを作成するための前提条件
C言語でゲームを開発するためには、以下の2点が前提となります。
Windows環境を用意する
後述するDXライブラリがMacに対応していないため、当記事ではWindows環境を前提に解説しています。
まずはWindowsがインストールされたPCを用意しましょう。
C言語の一通りの知識がある
C言語の基礎的な文法を一通り学習し終えている必要があります。
C言語はただでさえ習得難易度が高いと言われているので、あまり理解していない状態でさらに難易度の高いゲーム開発を行うと、高確率で挫折してしまうでしょう。
もし早く確実にスキルを習得したい場合は、プログラミングスクールで学ぶのも1つの学習方法です。
Winスクールでは一人ひとりに合わせた学びを直接指導でサポートしてくれるので、習得が難しいC言語の学習におすすめです。無料体験ができるので、受講前に不安を解消してから学習に取り組めるのもポイントです。
C言語でゲームを作るためのステップ
C言語でゲームを作るステップは、以下のようになっています。
C言語の開発環境を用意する
まずは、C言語の開発環境を整える必要があります。
C言語の開発環境は、
- Visual Studioなどの統合開発環境を導入する
- コンパイラ(GCC)をインストールして、コマンドプロンプト上でコンパイル、実行する
の2通りあります。
ゲーム開発をする場合は、頻繁にコンパイルやデバッグをする必要があるため、前者のVisual Studioを導入する方法がおすすめです。
Visual Studioの導入からC言語プログラム実行までの流れは、こちらの動画がわかりやすいので、参考にしてみてください。
コマンドプロンプト上で動く簡単なゲームを作ってみる
本格的なゲーム作成の前に、コマンドプロンプト上で動く簡単なゲームを作成してみることを強くおすすめします。
なぜなら、「C言語の学習を完了した」ということと、「実際に動くプログラムを自力で作成した」ということでは、理解度が全く異なるからです。
早く本格的なゲーム制作に入りたい気持ちもわかりますが、まずはコマンドプロンプトでプログラムを動かして、C言語やゲーム制作の流れをつかみましょう。
ゲーム作成用のライブラリを導入する
コマンドプロンプト上で動かすゲームは、C言語の標準機能だけで十分実装可能ですが、本格的なゲームを作るためには、専用のライブラリが必要になります。
C言語のゲーム開発ライブラリでは、「DXライブラリ」が有名です。
無料で利用できる上に、公式サイトに丁寧な解説が掲載されているため、初心者でも扱いやすいライブラリです。
C++用のライブラリですが、C言語の知識だけで扱えるよう工夫されています。
作りたいゲームを作ってみる
ここまで来れたら、あとは実践あるのみです。
何が作りたくて、そのためにはどんな機能が必要なのか、それを実現するにはどのライブラリを使って、どのように実装するのか、試行錯誤を繰り返して進めていきます。
C言語で作成できるゲーム例
具体的にどのようなゲームを作成できるのかをご紹介します。
レベルの高いものもあるので、いきなり似たものを作るのではなく、まずは最小限の要素から実装していき、徐々にそれを改良していくやり方がおすすめです。
当記事では、実際のソースコードが公開されているサンプルだけを紹介しています。
もしわからなくなってもお手本を見られるので安心です。
コマンドプロンプト上で動くゲーム
迷路脱出ゲーム
矢印キーを使って自キャラを操作し、出口への到達を目指すというゲームです。
シンプルながら、ユーザからの入力を受け取り画面上に反映する、変数の状態に応じて条件分岐させるなど、ゲーム開発に必要な要素を一通り体験できます。
シューティングゲーム
こちらも矢印キーを使って操作するゲームです。
ただし、時間経過で敵キャラや弾の移動も行うため、迷路より難易度は上がります。
DXライブラリを使ったゲーム
じゃんけん
シンプルな見た目、処理となっていますが、もしこれをC言語の標準機能だけで実現するとなると、予想以上に複雑な処理が必要になります。
コマンドラインで動くプログラムを作った後だと、ソースコードの短さに驚くかもしれません。
DXライブラリの入門として、作ってみてはいかがでしょう。
RPG
DXライブラリを使うと、画面描画などの難しい処理を簡単に実装できます。
RPGのように、複雑な条件分岐が必要なプログラムも実現可能です。
まとめ
当記事では、C言語でのゲーム制作のステップや、具体的にどんなゲームを作成可能なのかをご紹介しました。
C言語は、機能が充実したプログラミング言語とは言えないため、学習難易度は高めです。
しかし、ゲーム作成を通してなら、楽しく学習できる方も多いのではないでしょうか。
C++やJavaなど、C言語がベースとなっている言語も多いため、C言語を身に着けたときのメリットは大きいと言えます。
興味を持った方は、ぜひC言語でのゲーム作成にチャレンジしてみてください。
また、C言語の中でも初心者がつまずきやすい「ポインタ」や「配列」についても解説しています。
こちらの記事を参考に参考に、スキルアップを目指しましょう。