この記事の要点
- ウェブ解析士はSEOやアクセス解析を含めたWebマーケティング全般の能力を図る資格
- ウェブ解析士には、ウェブ解析士、上級ウェブ解析士、ウェブ解析士マスターの3つがある
- 副業やフリーランスとしてウェブ解析士の資格を活かすためには実務経験もやはり必要
Webマーケティングで成果を出すには、アクセス解析やSEO、インターネット広告それぞれの個別の知識だけでなく、各施策を有機的に結びつけるような知識が必要になります。
そうしたニーズをふまえた資格として人気があるのがウェブ解析士という資格です。
直接業務でマーケティングに関わることがない人でも、ウェブ解析士の資格を取得することで業務の幅が拡がるだけでなく、転職や副業、フリーランスへの道も開けることでしょう。
この記事では、ウェブ解析士の資格取得のメリット、受験概要や試験の難易度、合格に必要な勉強時間について紹介していきます。
目次
ウェブ解析士とは?
ウェブ解析士とは、一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)が実施している資格試験です。
Webマーケティングの知識や必要なスキルについて体系的に学ぶことで、企業のWebマーケティング活動に貢献できるような能力を身に着けられる資格です。
運営団体名 | 一般社団法人 ウェブ解析士協会 |
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公式URL | https://www.waca.associates/jp/study/wac/ |
住所 | 〒160-0023 東京都新宿区西新宿8-14-19 西新宿STビル3階 |
TEL | 03-6908-6404 |
ウェブ解析士を取得するメリット
ウェブ解析士は、実務に役に立つ資格というのをコンセプトにしている資格で、大きく3つのメリットがあるといえます。
知識を体系的に学べる
ウェブ解析士の学習を通して、偏りがちなWebマーケティングに関する知識を体系的に学べます。
- これからWebマーケティングを勉強したい人
- Webマーケティングの実務経験はあるものの知識に偏りがある人
どちらの人にもおすすめできる資格です。
後述しますが、ウェブ解析士は大きく3段階あるため、上位資格を目指しながら知識を更に深めていくこともできます。
人脈が広がる
ウェブ解析士の合格者は以下の活動を通じて、ウェブ解析士のコミュニティに参加可能です。
- 委員会活動
- 研究会活動
- ウェブ解析士の向けイベント
受験者数が4万人を超える資格試験のため、合格者のコミュニティに参加できることは、フリーランスや副業として案件探しやパートナー探し、キャリアアップを考える上でメリットといえます。
ウェブ解析士を名乗れる
ウェブ解析士は、税理士や中小企業診断士などのような、取得することで独占業務ができる資格ではありません。
しかし資格試験に合格すれば「ウェブ解析士」を名乗れる独占名称資格で、名刺や自分のプロフィールに資格名を書けるようになります。
ウェブ解析という分野自体が新しく、誰でもWebコンサルタントやWebマーケターを名乗れてしまうので、企業やクライアントへのアピール材料として活用できます。
ウェブ解析士の3つの資格
ウェブ解析士は、以下の3グレードに分かれています。
- ウェブ解析士
- 上級ウェブ解析士
- ウェブ解析士マスター
ウェブ解析士
ウェブ解析の基本的な指標から設計、レポーティングなど、WebマーケティングのPDCAを行うための基礎的な知識が学習範囲になります。
あまり経験がない人や初学者でもある程度学習すれば合格できる内容ですが、試験に合格後、認定レポートの提出が必要です。
上級ウェブ解析士
ウェブ解析士の範囲に加え、事業分析やKPIの設定、分析結果や業務に関してのコンサルティングなど、より広い範囲における解析・提案を行うために必要な知識が問われます。
そのため、単なる試験ではなく下記のような流れで講座の受講とレポートとテストの合格が必要になります。
- 事前課題の提出
- KPIの設定や戦略立案などの講座の受講
- 中間課題の提出
- 各種解析、分析とレポートやアドバイスの講座の提出
- 修了テスト
- 修了レポート
ウェブ解析士マスター
ウェブ解析士のロールモデルとなるような指導能力、コンサルティング能力が問われる資格です。
ウェブ解析の実務スキルに加えて、ウェブ解析士の育成や教育などの講師スキルを身に着けたいような人向けの資格になっています。
そのため、資格取得には3つのコースのいずれかの受講と合格が必要になります。
- マクロ解析レポートコース
- ミクロ解析レポートコース
- 講師養成コース
ウェブ解析士を活かせる業務や職種とフリーランスにとってのメリット
ウェブ解析士の資格が具体的にどんな業務や職種で活かせるのか、またフリーランスにとってどのようなメリットがあるのか解説していきます。
Webマーケター
Webマーケティングは非常に範囲が広く、広告のみ、SEOのみと偏ってしまいがちな業務でもあります。
資格の取得を通してWebマーケティング全般の知識と、レポーティングなどのまとめ方を学ぶことができるので、より広範囲な業務、あるいは上流工程の業務に関わることができます。
Webライター・Webデザイナー
Webマーケティングに詳しいWebライターやWebデザイナーとして活動可能です。
原稿やデザインにWebマーケティングの知見を活かすことで、他のライバルとの差別化ができるでしょう。
ウェブ解析士の試験は、テストだけでなくレポーティングも必要なため、提案書作成などのスキルも身に着けることができるので、資格取得には次のような利点があります。
- 他のWebライター、Webデザイナーとの差別化になる
- Webマーケティング知識を活かした提案ができるようになる
- それぞれの知識を掛け合わせてWebディレクターなどの副業も可能になる
Webマーケティングやウェブ解析士の講師
Webマーケティングは、プログラマーやWebデザイナーのように、成果物の良し悪しがわかりにくいという欠点があります。
そのため、資格取得をすることでフリーランスや副業時の信頼度アップにつながります。
さらに、Webマーケティングやパソコンスクールの講師の案件なども、資格を持っていると有利になると言えます。
ウェブ解析士の受験概要
ウェブ解析士の資格取得は、通常の資格と異なり大きく3つに分けて構成されています。
- 講座(任意)
- 試験
- レポート提出
上級、マスターにおいてはさらにレポート提出や講座の種類が多岐に渡るため、ここではウェブ解析士について紹介していきます。
上級、マスターについては、下記の公式サイトをチェックしてみましょう。
試験日程と申し込み期間
ウェブ解析士認定試験は、土日を中心に週に2回ほど行われています。
認定試験の前に、公式テキストを購入しての予習が必須になり、任意ですがウェブ解析士認定講座を受講することが推奨されています。
試験場所と受験料・受験資格
ウェブ解析士の試験場所や受験料、受験資格を見ていきます。
受験料
試験費用は17,600円(税込)です。オンラインでも会場でも受講できます。
公式テキストは、PDF版テキストが4,400円(税込)、冊子版テキストが8,800円(税込) になります。
受験資格
受験資格は特にありませんが、資格取得後、フォローアップテストの合格と年会費の支払いが必要 になります。
試験時間と出題方式・出題範囲
ウェブ解析士の試験時間や出題方式、出題範囲について紹介します。
試験時間と出題方式
試験はCBT形式(PC上で受験)で60分60問、4択問題になります。
出題範囲
ウェブ解析士の公式テキストの範囲が出題範囲となります。
基本的にはウェブ解析に必要な用語や知識、基本的な解析方法とレポーティングの方法で構成されています。
- ウェブ解析と基本的な指標
- 事業戦略とマーケティング解析
- デジタル化戦略と計画立案
- ウェブ解析の設計
- インプレッションの解析
- エンゲージメントと間接効果
- ウェブサイトの解析
- ウェブ解析士のレポーティング
合格基準・合格率
受験後、すぐに合否がわかります。
試験自体の合格率は60%と比較的高めですが、合格後2週間以内に認定レポートを作成し提出することが必要なので忘れないようにしましょう。
公式サイトで模試テストが受けられる
ウェブ解析士の公式サイトでは、模試テストが受けられます。
受験を検討中の方は、今の自分の実力を知るためにも一度模試テストを受けてみてはいかがでしょうか。
ウェブ解析士の難易度・合格に必要な勉強時間の目安
ウェブ解析士の資格試験は、Webマーケティング資格の登竜門 としても扱われています。
そのため実務経験のない人や学習初心者でも、計画的に勉強をすれば合格できるはずです。
実務未経験・学習初心者の場合
Web業界の実務経験がない人やWebマーケティングに関する勉強をしたことがない人は、合格までに25~40時間程度の勉強が必要であると言われています。
学習初心者の場合は、Webマーケティングで使われる単語(CV、インプレッションなど)を理解するところから始めていくのがおすすめです。
またウェブ解析士の試験は、通信機器以外の持ち込みが可能です。
公式テキストや学習時のメモ・ノートを持ち込むと、試験当日に必要な知識や用語を探しやすくなります。
持ち込み可能な試験なので、勉強は用語の暗記よりも公式テキストに書かれた内容を理解することに重点 をおきましょう。
実務経験あり・学習経験者の場合
Web業界の実務経験者やWebマーケティングに関する勉強をした経験がある人は、合格までに15~25時間程度の学習が必要と言われています。
ウェブ解析士の公式テキストは約400ページあり試験範囲は膨大です。
また試験の内容も毎年アップデートされています。
以上のことから、実務経験者でも公式テキストを用意し、試験範囲をよく確認しておくと良いでしょう。
まとめ
ウェブ解析士の資格の取得は、Webマーケターとしての信頼度向上に加えて、フリーランスや副業時に企業から信頼を得やすくなることが利点になります。
実務経験者でも資格を取得しておくことで、自分の知識やスキルを客観的に証明することができるからです。
また、ウェブ解析士は受験者数4万人を超える知名度の高い資格試験です。
合格すればウェブ解析士のコミュニティに参加できるだけでなく、フリーランスとして独立するときにもそういったつながりを活用できるはずです。
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