この記事の要点
- ウェブデザイン技能検定はウェブデザイン系の副業に活かせる
- Web業界の転職・就職では実務経験が重視される場合もある
- 学習初心者は3級合格を目指すのがおすすめ
ウェブデザイン技能検定は「特定非営利活動法人 インターネットスキル認定普及協会」が実施している資格試験で、Web業界の中では唯一の国家資格です。
ウェブデザイン技能検定を取得することで、ウェブデザインの基本的な知識、技術が備わっていると証明できます。
この記事では、ウェブデザイン技能検定の概要や、資格取得で活かせる副業・職種について詳しく解説します。
Webデザイナーの副業案件別の単価と必要スキルについては、以下の記事を参考にしてください。
目次
ウェブデザイン技能検定とは?
ウェブデザイン技能検定はウェブデザインの勉強をしたい人や得た知識を仕事に活かしたい人を対象にした試験です。
試験に合格すれば名称独占資格である「ウェブデザイン技能士」を名乗ることができます。
運営団体名 | 特定非営利活動法人 インターネットスキル認定普及協会 |
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公式URL | https://www.webdesign.gr.jp/ |
住所 | 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-16-1 第3歯朶ビル2階 |
TEL | 03-6304-0378 |
ウェブデザイン技能検定には3級から1級まで用意されています。
3級はウェブデザインの実務経験や学習初心者でも受験可能です。
2級以上の受験資格には下位資格の合格が含まれているので、3級から2級、そして1級へとステップアップも目指せます。
ウェブデザイン技能検定が活かせる副業・職種
ウェブデザイン技能検定の取得は、ウェブデザイン関連の副業に応募する際にアピール材料のひとつとして活用できます。
- HTMLやCSSなどのコーディング
- Web制作や保守・運用
- バナー制作やLP制作
これらのようにウェブデザインの知識を活用した副業を受注しやすくなります。
実際に仕事をする際にも資格試験の勉強をした内容を活かせるはずです。
ウェブデザインに関する副業は多種多様であり、単価や仕事のボリュームなどもさまざまです。
- 本業の後に1~2時間だけ仕事をしたい
- 独立に向けて週末はガッツリ作業したい
などのように、個人の希望する働き方を実現しやすいのも嬉しいですね。
ウェブデザイン技能検定の受験概要
ここからは、ウェブデザイン技能検定の試験の内容についてみていきましょう。
試験日程と申し込み期間
試験は、5月、8月、11月、2月の最終日曜日に実施され、申し込み期間は試験日の約1~2ヶ月前になります。
詳しい日程はWebサイト上で公開されます。
試験場所と受験料・受験資格
試験場所は、各級と試験日によって異なります。
1級は学科・実技ともに回数が少ないので注意しましょう。
3級 | 宮城、埼玉、東京(川崎市を含む)、神奈川、愛知、大阪、岡山、広島、福岡、沖縄 |
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2級 | 宮城、埼玉、東京、神奈川、愛知、大阪、福岡、沖縄 |
1級 | 【学科】 東京、大阪、福岡 【実技】東京、大阪 |
受験料
受講料は、学科と実技の両方でかかります。
3級 | 【学科】5,000円 【実技】3,000~5,000円 |
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2級 | 【学科】6,000円 【実技】7,000~12,500円 |
1級 | 【学科】7,000円 【実技】25,000円 |
比較的、費用がかかるのでしっかりと受験対策をして臨みたいですね。
受験資格
受験資格は級ごとに細かく分かれていますが、学歴や職歴が条件に満たない場合は、「3級→2級→1級学科→1級実技」の順で合格することで受験資格が得られます。
(1級学科は実務経験が必要)
各等級の条件のうち、いずれかひとつに該当すれば受検可能です。
3級
- ウェブの作成や運営に関する業務に従事している者及び従事しようとしている者
2級
- 2年以上の実務経験(※2)を有する者
- 職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業又は普通職業訓練修了(※3)した者
- 大学(※3)を卒業した者
- 高度職業訓練(※3)を修了した者
- 3級の技能検定に合格した者
1級
【実技試験】
- 1級の技能検定において、学科試験に合格した者(※1)
【学科試験】
- 7年以上の実務経験(※2)を有する者
- 職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業又は普通職業訓練修了(※3)後、5年以上の実務経験(※2)を有する者
- 大学(※3)卒業後、3年以上の実務経験(※2)を有する者
- 高度職業訓練修了(※3)後、1年以上の実務経験(※2)を有する者
- 2級の技能検定に合格した者であって、その後2年以上の実務経験(※2)を有する者
試験時間と出題方式
出題方式は、学科は筆記試験(マーク方式)で、実技は課題選択方式となり、3級は学科45分、実技60分、2級は学科60分、実技120分、1級は学科90分、ペーパー実技60分と実技180分です。
出題範囲
出題範囲としてはWebデザイン全般にかかわる範囲になります。
例えば1級の学科においては、下記のような範囲になっています。
- インターネット概論
- ワールドワイドウェブ(WWW)法務
- ウェブデザイン技術
- ウェブ標準
- ウェブビジュアルデザイン
- ウェブインフォメーションデザイン
- アクセシビリティ・ユニバーサルデザイン
- ウェブサイト設計・構築技術
- ウェブサイト運用・管理技術
- 安全衛生・作業環境構築
詳しくは、公式サイトの試験要項・実技試験概要を参考にしましょう。
合格基準・合格率
ウェブデザイン技能検定の合格率は、下記のように2級までは比較的高いですが、1級になると受験資格が厳しいのにもかかわらず、低い合格率になっています。
3級 | 60~70% |
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2級 | 30~40% |
1級 | 10~20% |
ウェブデザイン技能検定に合格するための勉強時間の目安
実務経験の有無やこれまでのWebデザインの勉強量によって、ウェブデザイン技能検定に合格するまでの必要勉強時間は異なります。
実務経験なし・ウェブデザインの学習初心者の場合
Webデザインに関する基本的な知識がない人やWeb業界の実務経験がない人が、ウェブデザイン技能検定に合格するための勉強時間は以下の通りです。
3級 | 30時間程度 |
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2級 | 30~90時間程度 |
1級 | 個人差が大きい |
2級以上は受験資格があるので、実務未経験者はまずは3級を受験しましょう。
3級であれば30時間程度の勉強で合格を目指せるので、1日1時間勉強すれば1ヶ月で合格できるはずです。
ウェブデザイン技能検定2級の受験資格には3級合格も含まれているので、3級合格後は2級の受験を目指すのも良いですね。
実務経験あり・ウェブデザインの学習経験者の場合
Web業界での実務経験やWebデザインに関する知識を持っている場合、ウェブデザイン技能検定合格に必要な勉強時間の目安は以下の通りです。
3級 | 30時間程度 |
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2級 | 30~90時間程度 |
1級 | 個人差が大きい |
実務経験者の学習時間に関しては、個人差が大きいので「〇時間勉強したら必ず合格できる」というのは難しいです。
実務経験が長く、HTMLやCSSの学習や実務を経験をしてきた人ならもっと少ない勉強時間で合格できるかもしれません。
とはいえ、実務経験者や知識がある人でも試験の出題方式に慣れておく必要があります。
試験前には公式HP上で公開されている過去問を実際に解いてみるのがおすすめです。
ウェブデザイン技能検定は転職やフリーランスに役立つ?
ウェブデザイン技能検定を取得していることで、転職や就職時に企業へのアピールになります。
しかし、Web業界の就職や転職は、知識や技術だけでなく実務経験も重視されます。
そのため実務経験がない人でもウェブデザイン技能検定に合格すれば絶対に転職できるとは言えません。
- ウェブデザインに関する知識は一通り備わっている
- 未経験の業界に飛び込むための熱意を持ち努力をしている
業界未経験者が資格取得後にWebデザイナーになりたいのであれば、上記の点を書類や面接でアピールするのが良いでしょう。
またWebデザイナーの応募時には、ポートフォリオの提出を求められる場合も多いです。
ウェブデザイン技能検定で身につけた知識を活かして実際に自分でWebサイトを作ってみると良いアピール材料になります。
Webデザイナーのスキルアップの方法については、こちらの記事が参考になります。
まとめ
「Webデザインの副業を始めたいけれど、何から学習していけばいいかわからない」とお悩みの未経験者・初学者にとって、知識を体系的に学べるウェブデザイン技能検定はおすすめです。
合格すればウェブデザイン技能士を名乗れますし、求人に応募するときのアピール材料として使えます。
「未経験だけどWebデザイナーになりたい」「Web業界に転職したい」と考えている人は受験を検討しても良いでしょう。
ただしWeb業界の副業は、知識や資格だけでなく実務経験も重視される傾向が強いです。
資格を取っただけですぐに就職に結びつく可能性は低く、ポートフォリオや過去の実績がないと不採用になるかもしれません。
副業やフリーランスでWebデザイナーとやっていく場合にも、デザイン力だけでなく、案件を成約するための提案力も重要になります。
副業や独立・フリーランスに興味のある人は、以下の記事もぜひご覧ください。