この記事の要点
- Webライティング能力検定の詳細と取得のメリットがわかる
- Webライターとして働くために必要な資格がわかる
未経験でも取り組みやすいという理由でWebライターを副業とする人が増えていますが、Webライティングに資格があるということはご存知でしょうか。
今回は、Webライターとして働くために必要な資格、中でも受検者数が多い「Webライティング能力検定」について詳しくご紹介していきます。
Webライターとして独立を考えている人は、こちらの記事もご覧ください。
目次
Webライティング能力検定とは?
Webライティング能力検定とは、日本WEBライティング協会が主催する検定のひとつです。
日本WEBライティング協会は2009年に設立された一般社団法人で、検定試験は2012年に開始されました。
Webサイトの普及に伴い、魅力的で正しい日本語を使えるライティングの技術を資格化することで、ライターの地位を確かなものとし、同時に各種サイトにおける文章の品質を向上させることを狙いとしています。
資格を取得するメリット
Webライティングに必要不可欠な知識を問う検定ですので、取得することには主に以下のようなメリットがあります。
- 説得力のある文章を書くことができる
- ビジネスメール等のマナーが身につき、各関係者とのコミュニケーションを円滑に取ることができる
- 基本的な法律・倫理を学べるのでトラブル回避に役立つ
- 資格取得者名簿に掲載されるので社会的な信頼を得やすい
- 認定証を就職の際には資格証明書として添付できる
- ネット集客全般の指導を受けることができる
就職・転職の際に資格証明書を添付できることや、ネット集客全般の指導を協会から受けることができるのは、ただ学習しただけではなく資格取得をしてこそのメリットと言えますね。
運営団体名 | 一般社団法人日本WEBライティング協会 |
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公式URL | https://wwkentei.com/ |
住所 | 〒253-0053 神奈川県茅ヶ崎市東海岸北2-1-39-305 |
TEL | 0467-86-8787 (電話による対応は行っていないため、公式サイトからの問い合わせとなる) |
Webライターの副業にWebライティング能力検定は必要?
ここまでWebライティング技能検定にはどのようなメリットがあるのかなどを見てきましたが、この資格はWebライターとして仕事をする際には必要なのでしょうか?
その答えを考えるには、検定そのものの内容と社会的評価を知ることが大切でしょう。
ここまで述べてきたように、Webライティング能力検定ではさまざまな知識が問われます。
受検科目は以下のようになっています。
国語 | Webサイトで大切なのは、誰にでもわかる平易な日本語で書かれているかということです。 この検定では、文章の母体となる国語力も試されます。 |
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ウェブライティング | 企業のサイト、ネットショップだけでなく、ブログなどを魅力的に書く力が試されます。 |
コピーライティング/メールライティング | Webライターとなるには魅力的な文章を書く力が必須です。 その中で人を惹きつけるコピーを書く力や、人に好印象を与えるメールの作成能力も求められます。 |
SEO | SEOとは、検索エンジンを使ったマーケティング戦略のことを指します。 検索したサイトの中にいかに興味を引くキーワードを盛り込むことができるかが求められます。 |
倫理・法律、炎上対策 | 話題になるのは大切ですが、トラブルを引き起こすきっかけとなってはWebライターとして仕事をしていくことは難しいでしょう。 倫理観や法律に対する正しい知識を求められるとともに、万が一炎上してしまった際の対策についても学ばねばなりません。 |
Webライティングに関するミニ論文 | Webライターに必要な資質には、クライアントの信頼を高めることと、発信者側の意図を的確に伝えられることが挙げられます。 この科目では出されたテーマに関するミニ論文を作成し、テーマを的確に読み手に伝える力が試されます。 |
これらの項目は、どれもWebライターとして仕事をしようと考えた時に身につけておきたいものと言うことができるでしょう。
しかし、Webライティング能力検定は国家資格ではないため、この資格を持っていないとできない独占業務等もありません。
一定のスキルがあることを証明するのには有効ですが、取得していなくてもWebライターとして仕事をすることは可能です。
結論としては、この資格は「必須ではないが、あった方がいい」ということになるでしょう。
Webライターのスキルアップを目的に受検する人も多いようです。
Webライターの副業で稼げる人と稼げない人のスキルと案件選びの違いは、こちらの記事をご覧ください。
Webライターと同様に書くことを生業とするコピーライターとして活躍したいと考えている人にも、Webライティング能力検定の取得は有用です。
Webライティング能力検定の受験概要
ここからは、試験の内容についてみていきましょう。
試験日程と申し込み期間
Webライティング能力検定は年4回(3月、5月、8月、11月)に全国一斉試験で行われます。
3ヶ月前から申込ができて、試験日の14日前17時が締め切りです。
試験場所と受験料・受験資格
試験場所は全国17か所、最寄りの会場を申し込み時に指定します。
試験の申込は、日本WEBライティング協会の申込みフォームから行えます。
受験料は受験者によって異なります。
一般(初回) | 13,500円 |
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一般(初回で紹介者割引) | 13,000円 |
一般(2回目以降) | 10,500円 |
学生 | 6,750円 |
受験資格は中学生以上。どなたでも受験可能です。
試験時間と出題方式
出題方式は、6課目あるうち1~5課目までは4択の選択形式です。
6課目のミニ論文のみ記述式で、Webライティングに関する200~300文字の文章課題が出題されます。
試験時間は90分、88点満点の減点方式で採点されます。
出題範囲
受験申込時に模擬問題付きの公式テキストがメールで配布され、その中から出題されます。
具体的な出題範囲は次のとおりです。
- 国語
- ウェブライティング
- コピーライティング、メールライティング
- SEO
- 倫理・法律、炎上対策
- Webライティングに関するミニ論文(200~300文字)
詳しくは、公式サイトの検定詳細ページをご覧ください。
合格基準・合格率
Webライティング能力検定の合格基準は、88点満点中53点以上です。
また、獲得した点数に応じて等級が認定されます。
1級 | 80~88点 |
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2級 | 70~79点 |
3級 | 53~69点 |
正解率80%(70問中56問)以上です。合格率は70%となっています。
Webライティング能力検定合格に必要な勉強時間の目安
毎日どれくらい勉強時間を確保すればいいのかということは、働きながら合格を目指す人には大きな問題でしょう。
公式サイトによると、
「検定日まで2週間以上あるのでしたら、期間としては充分」
(引用:日本WEBライティング協会)
とされています。
申し込みから受検日までの期間が長い人の方が検定当日の欠席率が高いということが理由として挙げられていますが、これはあくまでも検定の欠席率のデータです。
前述したような知識をしっかり理解し、模擬問題までをクリアできるようになれば合格率が上がるともされていますが、在学中や働いている場合は思うように時間を確保するのも難しいでしょう。
検定の1級から3級までの合格点と取得すると得られるレベルとは?
必要な勉強時間を考えるには、どれくらいの難易度なのかを知ることが大事です。
1級から3級までの合格点
検定そのものの問題は同じで88点満点になっており、合計得点によって級の区分が変わります。
問題88問のうち、ミニ論文以外はすべて選択式なので容易に合格できると思いがちですが、Webライティング能力検定1級の合格率は4割以下と狭き門になっています。
1級から3級合格者に求められるレベル
では、それぞれの級をクリアするのに必要なレベルとはどの程度なのでしょうか。
1級 | 一般的なライティングだけでなく、高度な案件もこなせるトップクラスのスキルを持つ |
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2級 | 一般的なライティングの仕事を十分に行うスキルがある |
3級 | 一般的なライティングの仕事を行うのに最低限のスキルがある |
検定合格に必要な勉強時間
1級合格者の体験談をチェックすると、検定の存在を知ってから6か月で1級に合格した人もいます。
この人を例に考えると、半年で合格するためには毎日コツコツ1時間は勉強を続けることが必要ということになります。
2週間で合格するとなると、毎日5時間勉強しないと間に合いません。
短期集中型の人も、コツコツ知識を積み重ねるのが得意という人もいるでしょう。
前述した1級合格者はご自身のブログや副業でライティングの経験がかなりある人でしたが、慎重に準備をされたようです。
前述した求められるレベルと合格率から考えると、勉強時間は以下のように考えられます。
ライティング経験:少しあり Webサイト運営:あまり知識がない (180時間+α) | 【平日】テキストを毎日1時間読み込む 【休日】平日の復習を行い、かつ問題集に2~3時間取り組む |
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ライティング経験:相当あり Webサイト運営:それなりに知識がある (30時間程度) | 【平日】テキストを週4日1時間程度読み込む 【休日】平日の復習と問題集に3時間程度取り組む |
本番の試験時間は90分ですから、自分のレベルですべての問題を時間内に正解できるようになるまでどれくらいかかるのか、よく考えて準備期間を設けることをおすすめします。
Webライティング能力検定以外でWebライターにおすすめの資格
Webライターと一口に言っても、書く内容はさまざまです。
クライアントの注文や、自分が得意な分野というものもありますし、働いている業界については書きやすいといったこともありますよね。
ここでは、Webライティング能力検定以外に取得しておくとよい資格についてお伝えします。
Webライティング技能検定
Webライティング能力検定と名前が似ていますが、主催する団体が「一般社団法人日本クラウドソーシング検定協会」と異なっています。
ライティングスキルやビジネスマナーを学ぶことができる講座と技能検定がセットになっている検定です。
日本語検定
日本語検定は、日本語を使うすべての人を対象とした検定です。
語彙・文法・表記の仕方・漢字などの日本語の知識を求められる内容となっています。
特に敬語に関する知識を問われるため、相手に好印象を与える敬語を使いこなすことができるようになります。
ビジネス著作権検定
近年では、SNSでも肖像権の侵害などが話題になることがあります。
発信するすべての人が権利者になり、また時として侵害者になり得る時代にあって「著作権」に関する知識は不可欠だと言えるでしょう。
この検定は「著作権」についての正しい知識やその活用に対する能力を問われるものです。
Webライターが取得すると、企業からの信頼度は高くなります。
その他、受注したい内容に特化した資格を取ることもおすすめです。
近年人気なのは「整理収納アドバイザー」や「ファイナンシャルプランナー」など、生活の見直しを行う際に役に立つ専門知識が問われるもの。
コロナ禍で在宅時間が長くなったことから、生活関連の記事に関心を持つ人が多いのもおすすめできる理由です。
また、文章校正に興味のある方には「校正技能検定」もおすすめです。
まとめ
今回はWebライティング能力検定について詳しく説明してきました。
ますますWebライターの需要は高まることが予想され、コロナ禍にあって企業の求人数のさらなる減少もあり得ることからも、こういった即戦力となり得る資格を取ることは得策と言えるでしょう。
試しにテキストを取り寄せて中身を確認するだけでも、新たな発見があるかもしれません。
他にもWebライターとして収入を得るために役立つ資格がありますので、今回ご紹介した以外にも興味がある分野について調べてみてくださいね。
Webライターとして、スキルアップしたい方は以下の記事もご覧ください。