- Shopifyにキャリア決済を導入することでユーザーが簡単に決済できるようになり売り上げが伸びる可能性がある
- Shopifyにキャリア決済を導入するためには対応する決済サービスと連携を行う
- 月額料金や決済手数料などのコスト面のデメリットもあるので注意が必要
キャリア決済は、商品の購入代金を後から携帯電話の利用料金と一緒に支払う決済方式です。消費者が簡単にオンライン決済できるので、オンラインストアにキャリア決済を導入することで売り上げが向上する可能性があります。
ここでは、オンラインストアを運営するサービスであるShopifyにおけるキャリア決済について、メリットや導入方法、注意点などを説明します。「GMOイプシロン」と「SBペイメントサービス」というShopifyへのキャリア決済導入を行うことができる2つの決済サービスについて、導入方法、月額料金や決済手数料が比較的高いというコスト面のデメリットなどを、詳しく見ていきましょう。
Shopifyにキャリア決済を導入するメリット
Shopifyを利用して運営しているオンラインストアにキャリア決済を導入することのメリットについて解説します。
主なメリットは、クレジットカードと比べて煩わしさがないキャリア決済を選択肢に入れることで、お客さんがより気軽に利用できるようになり売り上げが伸びる可能性があるというものです。
オンラインでクレジットカードを使って決済をする場合、長いカード番号や有効期限などの情報を入力しなければなりません。
これに対して、キャリア決済の場合は、携帯電話のキャリア会社のIDと4桁の暗証番号を入力するだけなので、お客さんがより簡単・迅速に決済手続きを行うことが可能です。
クレジットカードを持っていない人もオンラインで決済ができ継続課金にも使えることから、キャリア決済の導入によって新たなユーザー層の獲得につながる可能性があります。
さらに、Shopifyでオンラインストアを運営する事業者にとっては、商品代金回収におけるリスクが小さいという点もメリットです。
キャリア決済では携帯キャリアが商品代金の負債を持つ仕組みになっているため、たとえ未払いが起きたとしてもキャリア側が負担をするので、事業者側は代金回収に関して心配する必要はありません。
Shopifyでキャリア決済を導入する方法
Shopifyにキャリア決済を導入するための方法について説明します。
Shopifyでのキャリア決済の導入は、Shopifyと提携している決済サービスのうち、キャリア決済を扱っているものを利用することで可能です。
下記の2種類のサービスのいずれかを利用します。
- GMOイプシロン
- SBペイメントサービス
どちらも、au、docomo、Softbankの3社のキャリア決済が導入可能です。
GMOイプシロンへの申込み・設定
ShopifyでGMOイプシロンによるキャリア決済を利用するにはまず、インターネットで GMOイプシロンへの申し込み を行うことが必要です。
申し込み後、審査が行われるので、結果が通知されるまで待ちます。
審査通過後にメールで案内される必要書類を送付することで、GMOイプシロンのサービスを利用開始できます。
申し込みからサービス利用開始までにかかる期間は、最短5営業日から24営業日です。
申し込み完了後にキャリア決済を導入するための流れは、GMOイプシロンのサイトから、運営しているストアのShopifyドメインの登録などの設定を行い、Shopify側で決済方法を追加する設定を行うというものです。後者についてもう少し詳しくみていきましょう。
Shopifyの管理画面で左メニューから「設定」「決済」とクリックしていき、「サポートされている決済方法」という項目の「決済方法を追加」ボタンをクリックします。
次に、「プロバイダーで検索する」タブを選択して「イプシロン」と検索し、「スマートフォンキャリア決済(GMOイプシロン)」を選択し、「有効にする」ボタンをクリックします。
続いて「アカウントステータス」項目の「連携」をクリックして、「アプリをインストール」をクリック、そして、「テストモードを使用する」のチェックを外し、決済方法を「有効化する」ボタンをクリックして設定完了です。
SBペイメントサービスへの申込み・設定
ShopifyでSBペイメントサービスによるキャリア決済のサービスを利用するための最初のステップは、申し込みフォームへの入力です。
続いて、ポータルサイトとパスワードの発行についての案内が届くので、 ポータルサイトにログインして本申し込みします。
審査が行われ、通過したら利用が可能となります。
利用開始までの期間は、3週間から1ヶ月半程度です。
Shopify側で行うキャリア決済のための設定について説明します。
まず、Shopifyの管理画面の左メニューから「設定」「決済サービス」とクリックしていき、「代替決済方法」の項目のところにある「代替決済手段を選択する」ボタンをクリックします。
「代替決済サービス」画面が表示されるので、導入したいキャリア決済を選択しましょう。
選択肢は「ソフトバンクまとめて支払い-SBペイメント」「ソフトバンクまとめて支払い-SBペイメント」「auかんたん決済-SBペイメント」の3つです。
続いて、決済サービスの有効化の手続きを行います。
その際には、「設定アカウントID」と「ハッシュキー」というアカウント情報が必要です。
この情報の確認方法は、申し込んだのが2021年12月16日以前か12月17日以降かで異なります。
前者の場合は、審査完了後に発行された「オンライン決済ASPサービス 本番環境接続情報(PDF)」で、後者の場合は、「加盟店様向けポータルサイト」にログインすることで確認を行います。
これらの情報の入力を終えたら決済方法を「有効化する」ボタンをクリックして完了です。
Shopifyでキャリア決済を導入する際の注意点
Shopifyでキャリア決済を導入する際の注意点について解説します。
クレジットカードなどの他の決済手段に比べて、月額費用が発生することや決済手数料が高いことに注意が必要です。
キャリア決済の月額費用
Shopifyにキャリア決済を導入する際は、月額費用が生じます。
決済サービスとしてGMOイプシロンを利用する場合は、キャリア決済の月額費用は1000円です。
クレジットカード決済の場合、カードブランドがVISAやMastercardなら月額費用は0円で、決済手数料のみとなっています。
また、キャリア決済以外の月額費用は「月額最低費用」となっており、決済手数料の方が上回った場合は、月額費用は免除されるのですが、キャリア決済の場合は、決済手数料に関係なく月額費用1000円で固定です。
つまり、一定以上の売り上げがあるストアにおいては、キャリア決済は月額費用の観点でコストが高くなってしまいます。
決済サービスとしてSBペイメントサービスを使う場合は、各キャリアごとに月額費用が1000円かかります。
3社すべてのキャリア決済を導入する場合は、月額料金は3000円です。他の決済手段が月額1000円であるのに比べると、高いと言えるでしょう。
この他に、初期費用が各キャリアで1000円ずつかかります。ただし、こちらについては、3社すべて利用する場合の3000円という金額は、クレジットカードやWEBコンビニ決済の金額と同じです。したがって、初期費用に関しては、キャリア決済が特に高いわけではありません。
キャリア決済は決済手数料が高い
Shopifyのキャリア決済は、他の決済手段に比べて決済手数料が高いです。
GMOイプシロンを利用する場合は、売り上げに対して6%の決済手数料がかかります。
クレジットカード決済では、3.2%または3.5%なので、キャリア決済の方が割高です。
コンビニ決済でも最大で4%の決済手数料なので、こちらもキャリア決済よりも低い手数料となっています。
ただし、代引き決済の決済手数料は、一回ごとに360円と固定されているので、単純な比較はできません。
SBペイメントサービスによりShopifyにキャリア決済を導入する場合の決済手数料は、携帯電話会社によって異なります。
Softbankとdomocoでは5.5%、auでは6.30%です。若干の差はありますが、やはりだいたい6%となっています。
クレジットカード決済では3.1%または3.4%、WEBコンビニ決済では1.8%となっているので、他の決済手段に比べてキャリア決済の方が割高です。
まとめ
Shopifyで運営しているオンラインストアにキャリア決済を導入することで、決済手続きが簡単になる点や、クレジットカードを持たない新たなユーザー層が獲得できる可能性などの点で、売り上げを向上させる可能性があります。
キャリアが代金を負担してくれるので未払いの心配をしなくていいということも大きなメリットです。
一方で、他の決済方法に比べて、決済サービスに支払う利用料や手数料が高くなってしまうというデメリットもあります。
メリットとコストの両方を理解し、必要に応じて的確に利用していくことで、オンラインストアからの利益を伸ばしていきましょう。